令和のホームコメディ

　TVドラマの劇場版とのこと。ちょっとひねった会話が見どころのホームコメディといった感じで、確かにお茶の間で寝そべって眺めるにはちょうどよい軽さだったかもしれない。もっとも最初のうちはギャグのショートショートがひたすら続き、その細切れ感に退屈しかけてしまう。　　
　でも男運のない三姉妹の悪戦苦闘ぶりにフォーカスしだしてから少し面白くなってきた。頑固親父（吉田鋼太郎）を軸にして脇に何事にも動じない母（MEGUMI）を配した一家の日常のドタバタ劇は令和の「寺内貫太郎一家」といった感じだ。向田の発案だったらしい「昨夜のカレー」ネタもしっかり使われていたのでそう連想した次第。
　終盤の吉田の空回り演説がやや長過ぎだったけど、連続ドラマを一本の映画としてうまくまとめた構成はまずまずでした。