観終わって制作意図がよくわからなかったので公式サイトを覗いたら、生き甲斐も自己肯定感もなく将来に希望も持てない女の子の悶々とした毎日を描く物語らしい。
もっとも、世の中も人も舐めてテキトーに生きている自分勝手な女の子の意味のない日々を描いているようにしか見えず、同棲相手も新しい恋人もこんな女の相手を良くしているなという感想しか浮かばず、セックス目当てだとしても普通の男なら願い下げ。そもそもこんな女のどこに魅力を感じたのか? というくらいにリアリティがない。
女の方も頭で考えたステレオタイプな落ち零れで現実感に乏しく、台詞や行動にリアリティがない。
仕舞いに女は精神を病んでカウンセリングを受けるが、精神的な悩みと甘えとを混同しているようにしか見えず、本作の主人公からは何も得るものがない。
中国人と日本人との混血ということでアイデンティティの不確かさを持ち出しているが、最後に人と人とは分り合えないのが当たり前という結論に導くには安直な設定。
それでもカメラワークと編集には才気を感じさせるものがあって、退屈な物語を河合優実の演技でそれなりに見せている。
劇中、主人公がスマホで見ているのはナミビア砂漠の水飲み場のライブ映像。(キネ旬2位)