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映画は昔から好きではあったけど、劇場通いは「怪獣映画」オンリーという世代。そこを卒業してからは自分の足は映画館へとは向かわなかった。多趣味なせいもあって映画はたまに覗く程度。集中して見始めたのは退職してからのここ10数年。歳だけはベテランの域だけど、映画好きとしてはまあにわかです。

MY BEST MOVIE

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フォロワー 87 6位
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総鑑賞本数 9558 21位
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鑑賞方法別データ数
映画館 1,829,322 171
レンタル 596,661 3
購入 124,523 3
VOD 555,921 137
テレビ 921,859 84
その他 158,322 7
鑑賞日 2025/03/07  登録日 2025/03/14  評点 70点 

鑑賞方法 選択しない 
3D/字幕 -/-
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官能的な旋律

 ラヴェル最大のヒット曲(?)「ボレロ」誕生までの経緯を軸にしての伝記映画である。名曲誕生秘話だけでは尺が保てないので、母との絆とかローマ大賞落選、大戦への志願、アメリカ公演の様子、悲劇的な晩年といった彼の伝記には欠かせないエピソードが散りばめられていた。したがってドラマとしてはやや密度の薄いものになった気もするけれど、より伝記映画らしくはなっていた。
 彼は前半生ですでに音楽史に残る傑作をものしていて「ボレロ」は必ずしも彼の代表作ではないと自分は思っているけれど、晩年に書いたこの曲が人生最大のヒット曲になったことは間違いなかろう。一人歩きしていく曲に苦い表情をみせる作曲家の姿もスケッチされていた。
 ダンサーのために限られた条件で書き始められる曲。モーリスが家政婦に「好きな音楽は?」と尋ねると流行歌のタイトルを上げる。それをヒントに書き始めるラヴェル・・・というエピソードが面白かった。そもそもが売れ線を狙った創作であったのかもしれないなと思えて。
 それにしても改めて聴くとユニークな音楽であるとつくづく思う。後年流行することになるミニマル・ミュージックの先駆けのようにも響くけど、やはり音楽から立ち上がる独特の官能性が唯一無二であろう。したがってイダ・ルービンシュタインの振り付けも満更ではなかったし、それはさらにベジャールへと受け継がれていく流れにも腑に落ちた。
 その音楽の官能性に引きずられてかドラマの方も魅力的な女性たちを絡ませた作劇が軸になっていた。この辺はちょっと映画的な寄り道であろう。