遺作みたいです。

本作を観賞後にヒッチコック監督の遺作だと知りました。監督の全盛期のような強烈なワンカットやアイテムが劇中に出てこないので、ややインパクト不足に思えました。
｢めまい｣｢サイコ｣｢裏窓｣｢ロープ｣などと比べれば、やはり劣るというのが正直な感想です。

ストーリーはタクシー運転手のジョージと怪しい霊媒師ブランチの夫婦が１万ドルのために、エディという男を探し始めるところが始まり。ところがエディは既に亡き者になっていた。墓まであるのだが、亡くなったことに疑いを持ったジョージがエディの死の真偽を捜索するのであった。
凡作ではないのだが、ヒッチコック監督独特のひねりがない。
一つのテーマにフォーカスして、結末に落とし込むところが見受けられなかった。
それでも、各シークエンスではヒッチコック監督らしさがありました。
エディの家の地下牢の仕掛け、エディの情夫の変装ぶり、ブレーキオイルを抜かれたジョージの車でのカーアクション、ブランチのラストでの霊感など、それなりに楽しませてもらいました。

少しコメディチックに笑いをとりにくる節があったので、作風は変わってました。
ある意味、貴重な一品かもしれません。