世紀の迷宮入り事件をモチーフに！？

あのグリコ・森永事件をモチーフにしたサスペンスドラマ仕立ての作品。
映画では企業の実名を出せないので、｢ギン萬事件｣と呼んでいた。
皆様がご存知の通りに迷宮入りした事件なので、真相は誰もが知らない。本作の脚本そのものがフィクションなのですが、実際の事件を忠実に再現しているシークエンスが多数ありました。
1984年には度々報道されていたので、生々しく記憶が甦りました。

本作が取り上げたのは、グリコ・森永事件で人生を翻弄された人々である。子供時代に、犯行で使われた録音テープの声の主が大人になり罪の意識に苦しむ姿にフォーカスしている。３億円事件と並ぶ世紀の大事件に作為的でなくても関与しているのだから、罪悪感は当然持つことであろう。
あくまでもフィクションであるが、仮説としては面白いとは思います。

ここからが突っ込みどころであるが、実際のグリコ・森永事件には、犯行グループが残した遺留品がかなり多かったはずだ。これだけの物的証拠がありながら、警察が犯人を突き止められなかったのは犯行の用意周到さがあったと思う。
これを小栗旬さんが演じた新聞記者や、星野源さんが演じた洋服仕立ての職人である一般人が事件の真相を突き止められるだろうか？
実話ベースなら、真実味が欲しかったと思ってしまいました。
でも、まずまず楽しめたので良しとすることにします。