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テレビ 923,739 101
その他 158,585 10
鑑賞日 2025/03/24  登録日 2025/03/28  評点 76点 

鑑賞方法 選択しない 
3D/字幕 -/-
いいね!レビューランキング -位

名監督スティーヴン・スピルバーグの作品をジャンル分けする無粋を承知でいえば、「ジョーズ」「E.T.」「ジュラシックパーク」などのエンタメを前面に押し出した作品群とは一線を画す、「シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン」といったリアルでシリアスな世界観に属する作品。しかも、ユダヤ系アメリカ人である監督がパレスチナ問題を真っ向から取り扱うというきわめてセンシティブな映画、

1972年9月5日、ミュンヘン五輪の選手村にパレスチナの武装組織"ブラック・セプテンバー(黒い九月)"が侵入し、イスラエル選手11人を殺害する事件が発生。
イスラエルの諜報機関モサドはその報復として、首謀者11名の暗殺計画に乗り出す。
首相ゴルダ・メイア(リン・コーエン)臨席のもと、アヴナー(エリック・バナ)は実行部隊のリーダーとして、モサド上官エフライム(ジェフリー・ラッシュ)から「神の怒り作戦」の説明を受ける。実行部隊のメンバーは、南アフリカ出身の自動車のスペシャリスト・スティーヴ(ダニエル・クレイグ)、爆弾製造を担当するロバート(マチュー・カソヴィッツ)、現場の「掃除」係(後処理の専門)である年長者のカール(キアラン・ハインズ)、パスポート等の文書偽造の専門家のハンス(ハンス・ツィッシュラー)。
アブナーは妊娠中の妻ダフナ(アイェレット・ゾラー)を置いてヨーロッパへ渡り、仲間と協力して標的を1人ずつ抹殺していくが…。

この作品はミュンヘン事件という事実をベースにしながらも、あくまでフィクションであることに留意しなければならないでしょう。
そこを押さえれば、無類のサスペンスに浸ることができました。
報復の連鎖の中に身を投じていくアヴナー。彼が祖国イスラエルを愛しながらも、作戦に疑問を持ち、葛藤し続ける"平凡な"人物だからこそ、観ているこちらも揺さぶられ、物語の深奥へと入っていけるのだろうと。
作戦を命じられてはいるものの、アヴナーたちは表向きはイスラエルともモサドとも"無関係"とされ、しくじった場合にはトカゲのしっぽのように切り捨てられる立場。
標的の素性も定かでなければ、情報屋の"ルイ"というフランス人も信用できるか分からない。
何もかもが不確かな状態で標的を抹殺していくが、仲間も1人、また1人と暗殺されていく。
情報がもれているのか?部屋に爆弾が仕掛けられていないか?そもそも相手はブラック・セプテンバーだけなのか?
次第に追い込まれ、抜け殻のようになっていくアヴナー。精神を病んでいく彼の姿に底知れぬ問題の闇を感じる、監督渾身の一作。