瞬介(井之脇海)が目覚めると、そこは真夜中の図書館だった。彼が倒れていた階段の両側には吹き抜けの天井まで本棚がそびえ、あちこちの段に小さなヒトガタが潜んでいた。瞬介は扉を片っ端から開けて外に出ようとするが、なぜか館内に戻ってしまう。途方に暮れた彼は、導かれるように一台のグランドピアノを見つけ、そっと鍵盤に指を置く。やがて、大学時代の演劇仲間で、旧友の行人(大友一生)とその彼女だった貴織(木竜麻生)と再会する。行人と貴織は随分前からここにいるらしい。他にも、見知らぬ中年男・出目(斉藤陽一郎)や謎の女・絵美(澁谷麻美)がいた。行人はこの状況を逆手にとって、彼が作・演出するはずだった芝居『ピアニストを待ちながら』の稽古を始める。しかし、瞬介には気になることがあった。それは、行人は死んだはずだということだった……。