平山総裁は航空機売り込みに絡み、外為法違反などで東京地検と国税局の合同家宅捜査を受けていた。また日本の黒幕とも影の総理とも言われている山岡邦盟も同じ容疑で捜査を受け、山岡邸の周囲は様々な人々でごったがえしていた。その騒ぎに紛れ、一人の少年が邸内に忍び込み、山岡めがけて短刀を突きつけた。だが、少年の不自由な足がもつれ、書生の今泉らに取り押さえられてしまう。山岡はこの少年を、一光と名付け、手元に置いた。数日後、大和物産常務取締役の佐竹が本社屋上から飛び降り自殺をした。佐竹は、航空機売り込みのため、裏金を山岡を通じて平山に渡したとの疑惑を持たれており、その責任を取ったかのように思われた。その頃、大和物産副社長の朝倉は関西協進連合と組んで、山岡、平山の追い落としを謀議していた。書生の今泉と山岡の娘、雅子の二人は夫婦同様の関係だった。山岡は二人が異母姉弟であることを隠し、自らの血を継承することを望んでいた。関西協進会連合の小河内、伊藤前首相、朝倉が密談を交した夜、朝倉のボディ・ガードが山岡の影の軍団、青山クラブの者に狙撃され、そして、翌朝、朝倉も殺された。それは、影のフィクサー同士の決戦開始を告げることとなった。地検の捜査は進み、平山総裁辞職が決まった。そして、平山は伊藤、小河内と手を組み、後任の総裁を決めていた。山岡は自分が作った総理大臣、平山に裏切られた。平山を葬り去ることは手易い。だが山岡は何も語らず、ある決意を持って、国会証人尋問に出席を表明する。翌朝、一光の部屋で、今泉と姉弟であることを知った雅子が死んでいた。今泉は雅子を抱きしめ、何事か決意したように窓の外を見つめていた。証人尋問に出発する山岡めがけて、小河内の手下が拳銃を向けた。今泉が体で受け止め、山岡を守る。今泉の死体を残して、山岡の車はスタートした。一方、一光は短刀を抱え、街をさまよっていた。平山が遂に、収賄罪で逮捕された。平山が家を出ると、待ちかまえていた一光は、白刃を平山の腹に突き刺した……。