ゆみ子は父に愛人のいることを友人から聞かされて愕然。翌日、その愛人の家を訪ねた。とも子は留守だったが、そこで弟の宗雄に会い、父ととも子が互いに愛し合って現在の関係になったことを知る。間もなく帰って来たとも子。宗雄は寝ていた赤ん坊を乳母車に乗せて散歩へ。ゆみ子と向い合ったとも子は「お母さまやあなたを愛していらっしゃるお父さまが好きだったんです。お父さまが家庭を壊すような方だったら、お父さまを好きになれなかったかもしれません」と述懐。とも子の家を出たゆみ子は寺の境内で昼寝している宗雄のスキをうかがい不敵にも乳母車をさらってしまう。その夜、ゆみ子は宗雄宛に「まりちゃんと私は血を分けあった姉妹であることをはっきり感じて、私は一生この子の味方になろうと、そのとき決心したのです」と謝り状を書いた。夏休み、まり子の帽子を作りゆみ子はとも子の家へ。だが玄関に父の靴。帰り途、宗雄に会ったゆみ子は二人でまり子の味方になってやろうと約束。宗雄はまり子のことを次郎に話しに行くがとも子との睦まじい姿を見て黙って引き返す。母たま子は、ゆみ子まで父の肩をもち、二号の家へ通っているのを知って、遂に実家へ帰る。これを知ったとも子は次郎に二人の関係を解消しようと申出で、仕事を見つけて新生活へ。しかし、まり子は……。ゆみ子と宗雄は、まり子を幸福にしてやるため次郎、たま子、とも子の三人を合せ、話し合いをさせることを企てる。しかし意外なところで三人が顔を合せたものの何ら解決を見せず、結局、とも子が会社に行っている間は、まり子を乳児院へ預けることになる。夏休みの終りの日、ゆみ子は宗雄と乳児院へ。そして散歩に出た途中、「赤ちゃんコンクール」の立看板を見て、急に応募。薄幸なまり子の両親になって審査にのぞむ。見事三等入選。報告をすませた二人は家路へ。「果して父や、母は来てくれるだろうか、大人の気持は複雑だから判らない。僕たちがあんなにいっても、まり子の問題は結局どうにもならなかったんだからね。でも、いいさ。まり子には僕たちがついているよ。」乳母車を押しながら二人は誓い合った。