人に代わって悪を成敗する仕事人の三味線屋・勇次。彼とコンビを組んで・仕事・をしている髪結いの弥助は、いきつけの夜明かしの女将・おとよに秘かな愛情を交わしいた。しかし、そのおとよには人には言えない暗い過去があった。実は、彼女は江戸の町で大人気の秘薬・回春丸の開発者・上総屋の一人娘だったのだ。ところが、回春丸の服用者に死人が出たことから、上総屋は人々から人殺しの汚名を着せられ、父娘で出奔。そこへ目をつけた悪徳薬問屋の富貴屋によって上総屋は囚われの身となり、行方不明の父を思うおとよは夜明かしの女将となって健気に生きていたのだ。だが、そんなおとよの事情を全て知っていた弥助は、父親を回春丸によって亡くしていた才蔵の調べで上総屋が富貴屋に囚われていることを知り、上総屋を助けだそうと画策。しかし、上総屋は富貴屋の療養所で死んでしまうのであった。上総屋の死体を、まるで自殺のように見せかけて川に流す富貴屋。そんな富貴屋のやり方に怒りを爆発させた弥助は、勇次に富貴屋殺しの仕事の依頼をするが、情が絡んだ仕事は受けられないと申し出を断られる。仕方なく、内田という仕事人と共に富貴屋に乗り込む弥助。しかし、富貴屋に内通していた内田の裏切りで、弥助は返り討ちに遭うのだった。そして、富貴屋とつるんでいた火盗改役の坂巻の命令で弥助は獄門さらし首となり、それを見たおとよも失意のうちに自害してしまう。そんなふたりの非業を知った勇次は、窃盗集団の元締・お喜和と弥助の上方時代の仕事人の元締・伝兵衛らと共に、富貴屋一味を葬り去る。