女だということに甘えるわけにはいかない。女だからといってバカにされたくない…。警察組織の中で、明日香(黒谷友香)は常に自分をぎりぎりまで追い込んで捜査に当たっていた。唯一の心の支えは、パートナーでもある恋人の古芳(大沢たかお)。優秀な刑事でありながらも、捜査や組織に対してどこか醒めている古芳は、麻薬組織クラインとの対決で何人もの同僚が命を失う中、明日香に言う。「俺たち二人とも、いつ死ぬかわからない。自分以外の誰も信じるな。そうすれば俺はお前を信じる」。明日香には、その真意がはかりかねた。そんな時、クラインのボス・君国(萩原健一)の愛人であるはつみ(佐田真由美)が、警察に保護を求めてくる。明日香ははつみの警護を担当するが、君国の部下によって二人は銃撃を受ける。身体に重症を負いながらも脳には損傷のない明日香。ただ一発の銃弾が脳を貫通し、身体には傷ひとつないはつみ。明日香の上司、芦田(佐野史郎)は、はつみの身体に明日香の脳を移植するという医師団の提案を受け入れる。明日香ははつみの肉体を借り、“アスカ”としてこの世に蘇る。彼女の使命は、麻薬組織クライン摘発のために、はつみとして組織に潜入し、君国と接触することだった。古芳は銃撃事件以来姿を消しており、クラインとの内通者だと目されていた。アスカは銃撃されて意識を失う直前、はつみに銃口を向ける古芳の姿を見ていた。明日香が警護するはつみを撃ったのはなぜなのか? 本当に古芳はクラインと通じていたのか? 混乱するアスカの前に、古芳が現れる。彼は、死んだ明日香の復讐のために、単身クラインに乗り込んできたのだ。しかし、古芳の目に映るアスカは、恋人を殺した憎むべき男・君国の愛人である。君国の手から命をかけて古芳を守ろうとするアスカ。しかし古芳には、なぜ彼女が自分を助けるのかわからない。やがて、アスカの目の前で、古芳と君国が直接対決する時がやってきた……