2007年、シカゴ在住のジョン・マルーフは、オークションで大量の古い写真のネガを380ドルで入手。作風は主に街中の人々を撮った“ストリート写真”だったが、その一部をブログにアップしたところ、熱狂的な賛辞が次から次へと寄せられる。ところが、その撮影者であるヴィヴィアン・マイヤーの名をネットで検索しても一件もヒットしなかった……。2年後。彼女の名を再び検索したところ、奇跡的にヒットするが、それは彼女が数日前に亡くなったという死亡記事であった。享年83。その後、ジョン・マルーフは彼女を知る人物とのコンタクトに成功。しかし、彼女の職業は写真家ではなくナニー(乳母)であり、15万点以上の作品を残しながらも生前1枚も公表することがなかったという。ナニーをしていた女性がなぜこれほど優れた写真が撮れたのか。なぜ誰にも作品を見せなかったのか。こうして、ジョン・マルーフのヴィヴィアン・マイヤーを探す旅が始まった……。