ある下水清掃人の死体が、ムンバイのマンホールの中で発見された。ほどなく、年老いた民謡歌手ナーラーヤン・カンブレ(ヴィーラー・サーティダル)が逮捕される。扇動的な彼の歌が、下水清掃人を自殺へと駆り立てたという容疑だった。こうして、不条理な理由で被告人となったカンブレの裁判が下級裁判所で始まる。理論的で人権を尊重する若手弁護士ヴィネイ・ヴォーラー(ヴィヴェーク・ゴーンバル)、100年以上前の法律を持ち出して刑の確定を急ぐ検察官ヌータン(ギータンジャリ・クルカルニー)、何とか公正に事を運ぼうとする裁判官サダーヴァルテー(プラディープ・ジョーシー)。さらには、偽証する目撃者や無関心な被害者の未亡人を始めとした証人たち……。インドの複雑な社会環境の中で、階級、宗教、言語、民族など、あらゆる面で異なる世界に身を置く彼らの個人的な生活と、法廷の中での一つの裁きが幾重にも重なってゆく……。