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     KINENOTE DATA       前日比
会員数 54,729 2
総鑑賞データ数 7,064,650 558
総レビュー数 933,094 122
鑑賞方法別データ数
映画館 1,834,126 155
レンタル 596,906 11
購入 124,720 7
VOD 559,557 124
テレビ 924,129 83
その他 158,642 22

国葬

  • こくそう
  • ГОСУДАРСТВЕННЫЕ ПОХОРОНЫ
  • STATE FUNERAL
  • 平均評点

    71.0点(41人)

  • 観たひと

    74

  • 観たいひと

    12

  • レビューの数

    14

基本情報

ジャンル ドキュメンタリー
製作国 オランダ=リトアニア
製作年 2019
公開年月日 2020/11/14
上映時間 135分
製作会社 Atoms & Void=Studio Uljana Kim=Nutprdukce
配給 サニーフィルム
レイティング
アスペクト比 4:3
カラー/サイズ カラー/スタンダード
メディアタイプ ビデオ 他
音声 5.1ch
上映フォーマット デジタル

スタッフ

キャスト

(C)ATOMS & VOID

場面

予告編


     

解説

旧ソ連出身の鬼才セルゲイ・ロズニツァが、スターリンの国葬の映像から社会主義国家の真の姿を解き明かすドキュメンタリー。発見された大量のアーカイヴ・フィルムには、モスクワに安置された指導者の姿や、その死を悲しむ幾千万人の人の顔が記録されていた。第76回ヴェネチア国際映画祭正式出品。

あらすじ

1953年3月5日。スターリンの死がソビエト全土に報じられた。リトアニアで発見されたスターリンの国葬を捉えた大量のアーカイヴ・フィルムは、同時代の200名弱のカメラマンが撮影した幻の未公開映画「偉大なる別れ」のフッテージだった。そのフィルムには、モスクワに安置された指導者の姿を始め、周恩来など各国共産党と東側諸国の指導者の弔問、後の権力闘争の主役となるフルシチョフら政府首脳のスピーチ、そして、ヨーロッパからシベリアまで、国父の死を嘆き悲しむ幾千万人の人の顔が鮮明に記録されていた。67年の時を経て蘇った人類史上最大級の国葬の記録は、独裁者スターリンが生涯をかけて実現した社会主義国家の真の姿を明らかにする。

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セルゲイ・ロズニツァ〈群衆〉ドキュメンタリー3選 「国葬」「粛清裁判」「アウステルリッツ」:寄稿

2020年11月下旬号

UPCOMING 新作紹介:「国葬」

  • 鑑賞日 2023/06/13

    登録日 2023/06/13

    評点


    鑑賞方法 VOD/U-NEXT/レンタル/タブレット 

    字幕


    砂の器

    「スターリンの心臓は鼓動を止めてしまった」

    1953年3月5日 ソ連最高指導者ヨシフ・スターリン死去ーその訃報から赤の広場での追悼集会までの一部始終を、ソビエト社会主義共和国連邦全土の様子を交えながら克明に記録したドキュメンタリー。
    人類史の映像遺産と位置付けていい作品。セリフもナレーションも一切なし、あるのは街頭ラジオと演説の声のみで、主観を一切排除し、当時の肉声と実際の映像だけで壮大な実験国家の実像を浮き彫りにする。
    終始一貫しているのは「国家そのものに中身がない」ということ。「いつもそばにいてくれた人、愛しい人」と各地でスターリンを讃える言葉が溢れかえるものの、何ひとつ響いてこない。それもそのはず、目の前で骸と化した男は、その人生を通して5000万人近い自国民の人生を破壊したのだから。巧妙に情報統制がなされ、当時の人民には真相を知る術はなかっただろう。だが彼らは知っている、昨日までいた知人が、家族が、ある日突然いなくなり二度と帰ってこなかったことを。
    追悼演説を聞きながら人々は沈痛な面持ちで涙を流していた。しかし、本当に悲しかったのだろうか?もしかしたら安堵の涙だったのではないか?
    大勢の人々に見送られながら、スターリンの亡骸は労働組合会館のホールに横たわっていた。衆目に晒される男の姿は、しかしながらどこまでも孤独だった。


  • 鑑賞日 2022/09/23

    登録日 2022/10/08

    評点 46


    鑑賞方法 映画館/大阪府/シアターセブン 


    スゴい映画だが、感情的に揺さぶられるワケではない。考えるヒントになればという映画

    日本で国葬と言えば安倍元総理だが、こちらはソ連のスターリンの国葬の模様を膨大な弔問シーンで構成されていて、話の筋らしいものは何もない。最後にレーニン廟に遺体が移されるのを見て意外に思っていたら、フルシチョフによる批判後にレーニン廟から出されたと記述があって、合点がいった。ある意味、スゴい映画。

    脚本・構成
    1
    演技・演出
    1
    テーマ・メッセージ性
    3.5
    絵力
    4
    エモさ
    2


  • 鑑賞日 2021/03/02

    登録日 2021/03/02

    評点 70


    鑑賞方法 映画館/神奈川県/シネマジャック/ベティ 

    字幕


    奢れるもの久しからず

    セルゲイ・ロズニツァ《群衆》ドキュメンタリー3選「国葬」「粛清裁判」「アウステルリッツ」の内:『国葬』

    1953年3月5日のスターリンの死去に伴い、全国規模で大多数の人員が参加した葬儀、式典、そして津々浦々に至るまでの場所で、仕事や作業の手を止め、船舶や列車を停め、弔意を表している光景が映し出されています。
    しかし、一番の見どころはモスクワのレーニン廟で追悼集会での映像で、各国の指導者が飛行機から降り立つ様子、ひな壇での立ち位置、スピーチの順番など興味が尽きないアーカイブ映像のオンパレードです。
    この式典を司会し仕切るのがフルシチョフで、葬列の彼がポケットに手を入れたままの映像もあり、心の内が透けて見える気がします。
    周恩来や多くの来賓の映像も歴史的な価値充分です。
    しかし遥かかなたまで埋め尽くした群衆のボリュームには只々圧倒されます。これらの映像を、要人のスピーチの音声は入りますが、ナレーションは全くなく、どよめきや雑踏音といった効果音もなく、部分的に用いられたカラーフィルムと大部分を占めるモノクロフィルムで再現されるだけです。

    その中で、カメラマンの趣味でしょうか、撮影される対象者は女性を選んで撮ろうとしている様子が見てとれ、官製葬儀の空虚さの中に、一抹の人間らしさを感じさせてくれました。


  • 鑑賞日 2021/02/24

    登録日 2021/02/25

    評点


    鑑賞方法 映画館/石川県/シネモンド 

    字幕


    お帽子お似合い

    雪の白 軍服の茶 黒い服 赤が効いてる
    マトリョーシカな民族衣装かわいい
    お子は包まれて肩に 厚着かわいい


  • 鑑賞日 2021/02/21

    登録日 2021/02/21

    評点 78


    鑑賞方法 映画館 

    字幕



    ロズニツァのドキュメンタリーは初めてだけど、なんというか…すごいなあ、これすごい手がかかってる気がする。リトアニアで見つかった大量の記録映像(プロパガンダ映像?)を使ったんだっけ。モノクロとカラー、色々つなぎ合わせてる映像だった。
    なのに映像のつなぎ目に全然違和感がないんですよね…。遠景でカラーで撮ってある群衆、中に1人、ちょっと違う動きをしてる人がいる。画面がパッと切り替わる。その人のアップ。画面はモノクロ。そういう切り替えが結構出てくる。でも全然違和感ない。すごい…技術なのかセンスなのか手間なのか。
    わからんけどとにかくすごいのはわかる。そして、なんというか、作り手がすごい透明化されてる感がある。ドキュメンタリーって、どうしても作り手の思想というか言いたいことというか、意志というかが滲むんですよね。引用でさえ、どこを取り上げてどこを取り上げないかに引用者の思想は出ちゃう。
    でもそれが全然この作品では感じられないの。当時あるものをあったままに見せている感じ。だから、その時の自分の知識量がそのままこの作品を楽しめるかにかかってくるというか。だけど最後に、ドーンとひとつ叩きつけてきて、けれどそれもあくまで主観抜きの事実のみ。
    だけどそこに…というか、その演出にかな、監督の意思を感じる…いや、これも自分が感じたものが正解だと思いたいだけの心の動きかもですが。でも面白かった。粛清裁判も楽しみだな!


  • 鑑賞日

    登録日 2021/02/15

    評点 80


    鑑賞方法 選択しない 


    構図や演出の決まったプロパガンダ映像を、より劇映画的に編集することによる皮肉!!

    日本では、ことごとく未公開扱いにされていた、ロシアのドキュメンタリー作家セルゲイ・ロズニツァの「群衆」にちなんだドキュメンタリーを劇場公開するという企画が、遅れて名古屋でも公開されたが、流石に3作品を一気に観るのには体力がもたないということで、とりあえず観たのが、現時点では最新作である『国葬』だ。

    プロパガンダ的記録映像の中にある、計算しつくされた構図や演出から劇映画的要素をあえて寄せ集め、俯瞰的に、いかに茶番であったかをみせるドキュメンタリーだと解釈して良いのだろうか。

    北朝鮮の将軍様を死を悲しむ国民のフェイク映像、国外に向けたプロパガンダを連想させるようだ。

    映画的構図と群衆たちの葬儀参列映像を垂れ流しにする中での、ひとりひとりの悲しみの表情が、バックボーンを想像させてしまうという構造は、演出的には見事と言うべきかもしれないクオリティであると同時に、国民なのかエキストラなのかは不明だが、一般人たち?が実に多種多彩な表情をみせている。

    セリフがあるわけでもないのに、スターリンの死亡記事の載った新聞を買うために、子どもから老人までもが列をなす様子から、国民の動揺や不安感を演出してみせているのは、下手な劇映画よりも映画的である。

    この大量のアーカイブフィルムは、『偉大なる別れ』というプロパガンダ映画の素材であったため、200人以上ものカメラマンが撮った素材がかなり豊富であり、また様々な視点、角度からの映像が存在していて、つなぎ合わせるていることで、モノクロとカラー映像が入り混じりはするのだが、逆にそれがアート的効果となっている、

    意図的な構図のプロパガンダかもしれないが、皮肉にも当時の時代背景を切り取った、美しいポートレート的側面も見所である。

    普通だったら、「こんなところまで撮影しているのはおかしい」というような、労働者たちの表情の切り取り方は、アートでしかない。

    ナレーションが入るような、解説ドキュメンタリーではないため、なかなか忍耐力のいる作品ではあるが、スターリンの葬儀参列を疑似体験できるという、なかなかない様なおもしろい体験ができる。

    余談ではあるが、スターリンの死とその周りの権力争いを風刺漫画的に描いた2018年の映画『スターリンの葬送狂騒曲』を思い浮かべて観ると、別の意味でおもしろい部分がたくさいあったりもする。

    本来ドキュメンタリーというのは、記録映像のことであり、ただ労働者が工場から出てくるところを撮り続けていることで、一見ホームビデオ的ではありながら、登場の労働者がおかれていた環境を切り取っている、リュミエールの『工場の出口』のようなもののことを示しているだけに、記録映像を編集してプロパガンダであることが、わかりやすく現れている部分をあえて再構築していくことで、一周回ってプロパガンダという特徴を利用し、風刺作品にしてみせているという荒業をやってのけている。

    当時のプロパガンダを再構築して、観やすい様に編集しているだけであれば、ベネチア国際映画祭で評価されることはないだろう。

    ドキュメンタリーというのは、一定の偏った層の観る映画であって、一般的にあまり定着しないという中で、長年の間、日本では日の目を浴びていなかったドキュメンタリー作家が発掘されていくというのは、嬉しい限りではある。

    それは劇映画が公開延期になる中で、すでに海外では公開れていながら、日本では未公開の山のようにあるドキュメンタリーが空きを繋ぐという役割も果たしているのだが、自粛期間中にネットフリックスのドキュメンタリー作品が多く視聴されたということにも影響されているのかもしれない。


  • 鑑賞日 2021/02/12

    登録日 2021/02/14

    評点 70


    鑑賞方法 映画館/東京都/キネカ大森 

    字幕


    人人人の波

    1953年3月5日のスターリンの死亡後のソ連の各地や葬儀の模様を撮影した大量のアーカイヴ・フィルムを、セルゲイ・ロズニツァが135分に編集したドキュメンタリー映画。「セルゲイ・ロズニツァ<群衆>ドキュメンタリー3選」というだけあって、広場を埋め尽くす人人人の波であり、おびただしい弔花の山だった。当時は、街頭での放送が、最大のメディアだったと気づいた。嘆き悲しむ人々が多数いたので、「スターリンとは、こんなに慕われている政治家だったのか」と思ったら、最後に「スターリンによって処刑・暗殺等で殺された人:2700万人。餓死等で死亡した人:1500万人」というような(うろ覚え)字幕が出る。同じアングルでカラーとモノクロ映像の両方があるのは、単なる記録のためなのか?スターリンは、その後「個人崇拝」を否定される。


  • 鑑賞日 2021/02/05

    登録日 2021/02/05

    評点 80


    鑑賞方法 映画館/兵庫県/元町映画館 

    字幕


    虚構と現実が背中合わせになる人間社会の現実

    国の偉大な指導者を涙を浮かべて追悼する国中の大群衆に圧倒されたが、粛清を重ねた独裁者というその後の評価を知る我々には同じ映像が別の意味を持って語りかけてきて、虚構と現実が背中合わせになる人間社会の現実が冷徹に表現されているようだ。周恩来やフルシチョフそしてベリヤやマレンコフといった今や歴史上の人物になった人物が写っているのにも興味をそそられた。


  • 鑑賞日 2021/01/02

    登録日 2021/01/06

    評点


    鑑賞方法 映画館/愛知県/伏見ミリオン座 

    字幕



    セルゲイ ロズニツァ監督のドキュメンタリー三作を、「群衆」という企画で上映していた。「国葬」は、1953年に死亡したスターリンの国葬を撮影したフィルムを編集して作られている。
    海外からの来賓や、弔辞を述べる指導者たちの姿も映されているが、画面に登場するほとんどは名もなき一般の人々。モスクワだけでなく、地方の人々も映されるので、国全体でのイベントだったことがうかがわれる。
    かなり充実したパンフレットも作られており、ソ連についての知識がない身にはありがたかった。「スターリンの葬送狂騒曲」を見返そう。


  • 鑑賞日 2020/12/27

    登録日 2020/12/29

    評点 65


    鑑賞方法 映画館/福岡県/KBCシネマ 

    字幕


    1879-1953

    1953年に死去したスターリンの国葬にフォーカスしたドキュメンタリー映画。200名を超えるカメラマンたちが撮影した大量のアーカイブフィルムを編集したものであるが、粛清という言葉と共に語られることの多いスターリンは独裁者のイメージが強いけれど、本作を見る限りモスクワの市民、高官たちは一様に哀しみにくれ泣きはらす婦人もいた。70年近い時間の経過で歴史的評価が下った現代と当時では、当然のことながらその功罪の価値は違ってきている。

    まずラジオ放送でスターリンの死がソ連全土に知らされていく。
    病状がどのように進展したか、血圧がどうだったのか、そのあたりも詳細に語られていた。新聞を買い求める市民、弔問に訪れる中国やフィンランドの政治家たち、空港で出迎えるソ連の高官たちの姿が紹介されていく。閣僚の弔辞の場面では編集せずにフルバージョンで見せていた。

    圧巻だったのは祭壇に祀られた遺体を弔いに来た一般市民たちを延々と映し出したシーンだ。正直このあたりから瞼が重たくなってきたが数の力とスターリンの功績を正比例させようとするかのような思惑すら感じさせた。
    ラストは造船所らしき作業場でクレーンに吊るされたスターリンの肖像画を工員たちが仰ぎ見ている場面だった。
    暗転後のクレジットでスターリンの遺体が1961年にレーニン廟から出されたと説明していた。政治的判断だろうが時間の経過と共に功績の一部が罪に変貌したということかもしれない。