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     KINENOTE DATA       前日比
会員数 54,729 2
総鑑賞データ数 7,064,650 558
総レビュー数 933,094 122
鑑賞方法別データ数
映画館 1,834,126 155
レンタル 596,906 11
購入 124,720 7
VOD 559,557 124
テレビ 924,129 83
その他 158,642 22

粛清裁判

  • しゅくせいさいばん
  • PROCESS
  • THE TRIAL
  • 平均評点

    67.4点(31人)

  • 観たひと

    56

  • 観たいひと

    10

  • レビューの数

    8

基本情報

ジャンル ドキュメンタリー / 社会派
製作国 オランダ=ロシア
製作年 2018
公開年月日 2020/11/14
上映時間 123分
製作会社 Atoms & Void=Wild at Art
配給 サニーフィルム
レイティング
アスペクト比 4:3
カラー/サイズ モノクロ/スタンダ-ド
メディアタイプ ビデオ 他
音声
上映フォーマット デジタル

スタッフ

キャスト

(C)ATOMS & VOID

場面

予告編


     

解説

旧ソ連出身の鬼才セルゲイ・ロズニツァが、1930年にモスクワで行われた見せしめ裁判“産業党裁判”のアーカイヴ・フィルムから、独裁政権誕生の過程に迫ったドキュメンタリー。無実の罪を着せられた被告人と、捏造した罪で彼らを裁く権力側の共演の記録。第75回ヴェネチア国際映画祭正式出品。

あらすじ

1930年、モスクワ。8名の有識者が西側諸国と結託し、クーデターを企てた疑いで裁判にかけられた。この、いわゆる“産業党裁判”は、スターリンによる見せしめ裁判であり、90年前に撮影された法廷は、ソヴィエト最初期の発声映画「13日(『産業党』事件)」となった。だが、それはドキュメンタリーではなく架空の物語である。新たに発掘されたアーカイヴ・フィルムには、無実の罪を着せられた被告人たちと、彼らを裁く権力側の大胆不敵な共演が記録されていた。捏造された罪と真実の罰。スターリンの台頭に熱狂する群衆の映像が加わり、再構成されたアーカイヴ映画は、権力がいかに人を欺き、群衆を扇動し、独裁政権を誕生させるかを描き出す。

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  • 鑑賞日 2021/12/20

    登録日 2021/12/19

    評点 55


    鑑賞方法 映画館/兵庫県/シネピピア 

    字幕


    捏造冤罪忖度

    今の日本の様、丁度月曜日BSで「映像の世紀」中国の革命が取り上げられていたが、ソ連の支援でプロパガンダ映画を作る場面が有る、そして意に沿わない人民、異民族に対しては拷問虐殺が行われる。早朝の上映にも拘わらずそこそこの観客、宝塚は民度が高い。


  • 鑑賞日 2021/03/01

    登録日 2021/03/02

    評点 75


    鑑賞方法 映画館/神奈川県/シネマジャック/ベティ 

    字幕


    こんなことが罷り通る国家とは

    セルゲイ・ロズニツァ《群衆》ドキュメンタリー3選「国葬」「粛清裁判」「アウステルリッツ」の内:『粛清裁判』

    この作品はまさに驚愕する内容で、最後の最後の2・3分の字幕に完全にそれまでの2時間近くの映像はいったい何だったのかと只々驚くだけで、悪い冗談だと思ってしまうほどでした。
    ソ連の近代史において「産業党裁判」なる事件があったとは全く知りませんでした。
    映画は市電が走り、人が行き交う、日常の冬のモスクワ市内の街の描写から、おそらく2・3千人の傍聴人の熱気に包まれた、最高裁判所の特別法廷での裁判光景を、アーカイヴァル映像を用いて構成されています。

    裁かれる側は9人のインテリ層(=ブルジョワ)で、その仕事柄外国に精通し、外国語をこなせることに、労働者階級(=プロレタリアート)が反感を抱いたことを、スターリンは利用し、破壊活動の容疑で告発したものですが、事件そのものが捏造されたものでした。
    判決は『社会防衛最高措置として』銃殺6名、残る3名も10年の自由剝奪、全財産没収等と過酷なもので、傍聴者全員が狂喜するという、いかにも体制のストーリーに乗ったような展開です。
    しかし、実際の被告人たちはその後、減刑や釈放されるものも多く、大衆の一時の熱気などというものが、いかに移ろいやすく不確かであるものかを知らしめてくれます。


  • 鑑賞日 2021/02/27

    登録日 2021/02/27

    評点 68


    鑑賞方法 映画館 

    字幕



    寝てしもうた…あんなに楽しみにしていたのに寝てしもうた…。
    それでも、ほとんどずっと全部裁判のシーンだったおかげで、大まかには話を追えてたので…大丈夫…。ただ、これは下調べしていった方が絶対楽しかったやつ。ただし軽くググった範囲では詳細な情報はあんまりない…。
    このドキュメンタリーのもととなった裁判というのがどんなものだったのかというと、ソビエトの科学者と経済学者がソビエト連邦政府に対するクーデターを計画し、産業党というものを結成していたと起訴され、それによって開かれたもの。これを記録していた映像を監督が発見し、再編集したのがこの映画。
    そして裁判では、8人いる被告たちは全員素直に罪を認め、許されるなら革命に人生を捧げると訴える。けれど公開裁判の席に詰めかけた群衆は被告たちを睨みつけ、極刑にしろと怒号を上げ、外でも極刑を求めてデモが行われている。高い地位にありながら国家転覆を企てた人々だ、憎まれるのもむべなるかな。
    …とみせかけて、実は「産業党」なんて組織は存在しないし、被告たちも国家転覆なんて一切企んでいない。完全なる冤罪。社会主義国家への転換を印象付けるために、スターリンがでっち上げた事件だった。しかし素直に罪を認める被告たちは、裁判に不要なことを言わないよう脅しつけられていたんだろう…。
    余分なことを一言でも言えばその場で命がない、くらいのことを言われていたんじゃないだろうか。服の下には暴力の痕もあったかもしれない。年配の被告の中には、歩くの大変そうな人もいたし。判決の前、被告の弁論の時点で順に自らの罪を認め刑に服する、だがもし許されるならソビエトのために人生を掛けると訴えかけていく彼らの言葉は、それが唯一出来る精一杯の命乞いだったのかと思わせる。
    実際、そういう情に訴えるような反省の意を表明しきれていない(ように見える)被告は、銃殺刑を言い渡されていたし、そうでない人も最低十年の懲役と全財産と基本的人権の没収を言い渡されていた。そしてそこに至るまで、この裁判のすべてがでっち上げであることを作中で伝える場面はない。
    判決が言い渡され、悄然とする被告たちを映した後に、この裁判が捏造であったこと、被告たちひとりひとりの写真とその後の人生が簡単に示される。銃殺刑を免れた人も、刑を軽減されて懲役にされた人もいたけれど、それでもその後銃殺されていたり行方不明になっていたり…。
    見落としがあったかもしれないけれど、まともな死に方をした人がひとりもいなかった。無実の罪だったのに。そして裁判官も、大臣職を経て国連で勤務するも、おそらく自殺で亡くなっている。この裁判が原因というのは短絡的すぎるけど…この裁判がきっかけでスターリンの粛清が始まったというから、遠因のひとつくらいにはなってるかも。
    先週見た「国葬」と合わせて、スターリンという怪物の始まりと終わりを見せられましたね…。けれど「スターリンこえー」で終わりじゃなくて、この2本の主役は数多映し出される群衆ですね…。真実を知らず(知らされず?)熱狂し、過激な処置を望み、無邪気に悲しむ、画面を埋め尽くす様々な人々の顔。その集団は、大きなうねりのような、波のような意思を形にしたような姿に見える。無責任で恐ろしい、数の力を見せつけられたような気分。来週は「アウステルリッツ」だけど、これはまた違う作り方だしちょっと違って見えるかなあ。重たかった。


  • 鑑賞日 2021/02/04

    登録日 2021/02/04

    評点 85


    鑑賞方法 映画館/兵庫県/元町映画館 

    字幕


    絵に描いたようなプロパガンダ

    スターリンによる捏造裁判を裁く側と裁かれる側双方が台本に沿って演じ、それに煽られた大衆が熱狂するという絵に描いたようなプロパガンダを歴史上の記録として蘇らせたロズニツァの視点と克明な編集が素晴らしい。市民で鈴なりの劇場のような法廷がまるで演劇空間として意図されたように見え、フェイク情報を全て事実として信じ込む危うさが今でも増幅し続けているのが非常に怖い。


  • 鑑賞日 2021/01/02

    登録日 2021/01/06

    評点


    鑑賞方法 映画館/愛知県/伏見ミリオン座 

    字幕



    スターリンの大テロルが始まる時期である1930年の産業党裁判を撮影している。これも過去のフィルムを監督が編集して作成している。
    事件や被告たちの背景が全く分からず、それについての説明も特にないので、裁判の内容についてはよく分からない。この映画も、裁判を傍聴している一般民衆や、時々挟まれるデモ行進の民衆が主人公の一つとして扱われている。死刑判決が出た時の歓声がすごかった。


  • 鑑賞日 2020/12/17

    登録日 2020/12/18

    評点 65


    鑑賞方法 映画館/大阪府/第七藝術劇場 


    捏造裁判。 ネタバレ

    <セルゲイ・ロズニツァ〈群衆〉ドキュメンタリー3選>の上映作品。

    「国葬」同様、アーカイブ映像から構成されたドキュメンタリー。裁判で被告に立つのは、西側と通じて国家転覆を謀ったという産業党の面々。産業党なんて初耳だなぁと思いながら、しかしロシアは最近でも領土割譲に向けた行為だけで禁固刑なんて法律を成立させたし共産国家が倒れても強権で嫌だなぁとか思いながら見ていると、被告になった面々は、その先に何が待つのか知らずいろいろ弁明をしている。ソ連で国家反逆罪となるとさぞや重い刑なんだろうと思っていると、判決は銃殺。ああ、やはりと思う割には被告たちの緊張感のなさのせいか途中見ていて意識が途切れそうになってしまう。

    最後の解説文で、全てはスターリンの政策によるでっち上げでそもそも産業党など存在せず、被告たちも減刑され10年後に釈放されたとある。その辺りのもたれ合いを自分は見抜いていたんだなあと、意識が飛びがちだったことへの姑息な言い訳とする。


  • 鑑賞日 2020/11/25

    登録日 2020/12/01

    評点 1


    鑑賞方法 映画館/大阪府/第七藝術劇場 


    アメリカ帝国主義のスパイ

    粛清でなく、反革命分子(人民の敵)の処分です。革命のソビエト、マルクス・レーニン主義を否定する裏切り者です。
    日本でも、「内乱罪刑法77条は、死刑又は無期禁錮に処する。」です。


  • 鑑賞日 2020/11/15

    登録日 2020/11/15

    評点 80


    鑑賞方法 映画館/東京都/シアター・イメージフォーラム 

    字幕


    でっち上げの裁判を鼓舞し、その結果に歓喜する群衆!しかし、彼らもまたいつしか俎上に!

    こういうプロパガンダ的な作品に違った角度から陽が当たるとは、まさしく貴重。「収容所群島」「煉獄のなかで」等を著したアレクサンドル・ソルジェニーツィンが在命していたならば、何を語ったであろうか。今日の他人の身は、明日の我が身。最後に記されるエピローグの恐ろしさ。同じ歴史だけは繰り返すまい。蛇足ながら、ロシア語のアルファベット、アー、ベー、ヴェー、ゲー、デー!、、を翻訳ではa、b
    、c、d、、、と英語アルファベットに置き換えたのはいぎなものか!