自分はまだまだ現役と思っていてもセルフレジに対応できない老人を,老害と称していいのかどうか微妙ではありますが,レジを通してない商品を(故意でなくても)持ち出して万引き犯と確定されるも,周囲の老人と一緒になって警備員をとっちめる行為は,間違えなく老害です.そもそも老人の不平不満なんて,ちり紙にへばりついた精子のほうがまだ価値があるくらいですよ.ソースはアラ還の私です.
世の中には明るいデ・ニーロと重たいデ・ニーロのふた種類のデ・ニーロがおりまして,作品に合わせてどちらかが表舞台に立つことになっています.で,残った方のデ・ニーロは,指宿あたりの温泉で英気を養っておると落語家協会の重鎮が申しておりました.
もちろん本作のデ・ニーロは明るいデ・ニーロの方.イチモツを娘婿に見られちゃうシーンに驚かれた御仁はまだまだ勉強が足りませんぞ.『ダーティ・グランパ』では孫にシコってる所見られちゃう爺さんを演っておるんですから.そもそもデ・ニーロさん御本人も79歳で子供(曾孫とちゃいまっせ)ができちゃうくらいにお元気ですから,映画ん中でちんこ見せるくらいなんでも・・・いや,それとこれは別か・・・そもそも78歳で勃つか・・・まぁ勃ったんでしょうけど.
本作は,部屋の使用権を争点とした祖父孫家庭内戦争を描いておるわけですが,この戦争の帰結点ってどこらへんにあったのでしょうか.爺さんが家を出ていくと孫の勝利ってのはわかりますが,じゃあ爺さんの勝利条件は?そもそも母親が爺さんを家に招いたわけですから,爺さんが家を出るって可能性はないわけ(出ていったけども)で,とあれこれ考えながら視聴しておりましたら,この作品がコメディの皮を被った(ほ,包茎じゃないんだからね!!)反戦映画であることがわかります.普通に観てても気付くんですけどねっと.攻撃が自己中毒になるとしても激化する,無関係な人間を巻き込む,勝者がいない等々戦争の不益を祖父孫の争いを通して描いておりますけども,助平前の一本で本作を選んだカップルや団体さんは難しい事なぞ考えずにアハハと笑って下さいな.