福島県・会津若松駅と新潟県・小出駅を結ぶ全長約135kmのローカル線・JR只見線。2011年7月、福島県と新潟県を襲った集中豪雨はJR只見線の鉄橋を押し流し、会津川口駅~只見駅間が長く不通となる甚大な被害を引き起こした。復旧工事には莫大な費用がかかり、その後の赤字解消への不安が言われ、只見線は廃線の危機にさらされたが、住民たちは地元活性化の生命線を絶やさぬよう声を上げた。その中心には、只見線と奥会津の絶景を数十年撮り続けている郷土写真家・星賢孝の姿があった。奥会津出身の彼は年間300日以上只見線を撮影。奥会津を生かすために只見線は必要と言い、美しい自然と共に只見線を撮り続け、地元の魅力を世界に伝えるために撮影した写真をSNSなどで発信している。また生まれ育った金山町三更集落の廃村で消滅した渡し船も50年ぶりに復活させると、国内外から観光客が押し寄せた。しかし2020年のコロナ禍で観光業は下火に。それでも星は、高齢化率で群を抜く故郷・奥会津の衰退を阻止し活性化させるために、シャッターを切り続ける。