鑑賞後は幸せに包まれる

宮本信子演じる井上まひるは民事介入暴力専門の弁護士で
この作品の舞台となるヨーロッパホテルでヤクザ対策に呼ばれます
及び腰のホテル従業員を
教育しながら　自らも正面切って
対決します
VIPルームで罵詈雑言を浴びせられても怯まず冷静にヤクザを論破していくまひる弁護士　その落ち着いた態度の訳は
自分に暴力を振るったら
暴行罪で訴えることができる為で　「殺すぞ」と言った場合には　恐喝罪になる　そうして裁判にでもなったら資金が必要になる
何百万の金をゆするためにその何倍も金をかけて裁判などする訳がないと
説明するのです　
それを聞いた村田雄浩演じる若杉が　ヤクザは怖い、怖いけど
「相手を知る事が大事なんだ」と呟きます
なんか人生勉強をしてるみたいです
大地康雄演じる役名が鈴木勇気だった事も興味深い　経理課に勤め母親の作ったお弁当を楽しみにしてるようなマザコンの気弱な叔父さん
ちょっと偉そうな事を社長の前で言っちゃったお陰でヤクザ対応の長に任命され毎日がヤクザに怒鳴られて萎縮する日々にがらりと変わってしまった
余りのストレスに血尿を出して絶叫してた鈴木さんですが、映画の終盤になるとまひる弁護士の教育
のお陰でヤクザの脅しに一歩も引かずに毅然とした態度を貫くまでに大変身　社長の小林さんや鈴木さん平凡な苗字に設定したのも誰にでも起こり得る事なんだと
伊丹さんの警告のようです
同時に
弱虫の鈴木さんでも
女性のまひるさんでも
しっかりとした知識に基づく
勇気を持てば　ヤクザと対抗できるんだよと伊丹さんは
伝えたかったんだなぁ
まひるが若杉を庇って刺された後の彼の台詞でしっかり釘を刺す事も忘れません　ヤクザ相手に
感情的になり調子に乗って挑発してはいけませんとゆう事です

鈴木さんも若杉さんもこの映画のヒーローですがお世辞にもイケメンとは呼べません
でも、一致団結したホテルの従業員がヤクザの団体様を追い払った後のガッツポーズと
二人の笑顔は絶品のイケメン
でした。
まだこの映画を見たことがない方にお伝えしたい事があります
序盤はヤクザたちがどんな手を使ってホテルで金を巻き上げるか
緻密に描いて見せます
ヤクザたちの罵詈雑言も漏れなく付いてくる為に彼らの脅し文句や
大声やダミ声をずっと聞く羽目になるので辟易します　
その事を踏まえて
序盤の鑑賞を我慢して下さい
我慢した人だけに
その何倍にも終盤カタルシスを
味わえることを約束します

最後に鉄砲玉の役で若き
柳葉敏郎の出演に隣の若者たちが
喜んでいたことをご報告します。