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購入 124,741 7
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テレビ 924,422 193
その他 158,681 23
鑑賞日 2025/03/30  登録日 2025/04/02  評点 85点 

鑑賞方法 映画館 
3D/字幕 -/字幕
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楽しませることに本気

ポン・ジュノ監督6年ぶりの新作はSFコメディだった。
この人ほど一作ごとに作風が違う監督は他にいない。
共通しているのは、
・どれもみな見たことのない世界を見せてくれること。
・どれも底辺を暮らしている人にフォーカスしていること。
あ、あと、どれも飛び切りに面白いというのも共通点。
そんなわけで、「ミッキー17」も予告編やポスターから想像できないくらいに面白い。

人がコピー再生されて永久に生き続ける、・・・SFの設定としては良くわかる。でも、あれ?永遠の命が手に入るのって、権力者とか、金持ちの特権だったんじゃないの?だから哲郎は銀河鉄道999に乗ったんじゃないの?でも本作では、権力者はオリジナルだから価値があって、劣等者は何度も何度も生き直しさせられる。設定の初期値が既にちょっと意外なのだ。
だが、そこからストーリーはさらにどんどん思いもしない方向へと展開していく。ふざけた話だ。
実は意外なのはストーリーだけではない。事あるごとに見せる登場人物たちの反応が、ことごとく予想の斜め上で笑わせる。悪役も味方も、とにかくみんなクレイジー。でもそれが、ギリギリついていける感じで、「なるほど、そういう考え方も確かにあるなぁ」みたいな妙な説得力がある。
ポン・ジュノはとにかく普通を許さない。

本気で人を楽しませようとしたら、こういうことになるのだ。たぶん。
内容が面白い話をどこまでも真剣に作り、ちゃんと計算し、その計算が表に露出しないようにまで計算する。最近の邦画で時々見かけるような、楽屋でのふざけ合いレベルのものをそのまま銀幕に映してしまう幼稚さ(私もその場では笑うけど)とは志もクオリティも全く違う。…そんなことを改めて感じさせる「ミッキー17」だった。