主人公の阿孝は、'47年広東省に生まれ、一歳のときに一家で台湾に移住した。村の子供たちの間でガキ大将的存在の阿孝の家族は、彼を含め5人の兄弟と、彼をとりわけ愛している祖母(唐如オン)、そして両親の八人。健康が思わしくなく、ときおり吐血する父親(田豊)は、子供心に阿孝の心に小さな影を落とす。大陸に帰る夢を抱いている祖母は、阿孝を連れて出かけたある日、村の茶店で梅江橋はどこかと尋ねる。しかし村人には分かるはずもない。梅江橋とは祖母の生まれた広東省梅県の橋なのだった。そんなある日、父親が死んだ。悲しむ家族の中で、阿孝の目には人一倍慟哭する母(梅芳)の姿が印象的だった。高校に成長した阿孝(游安順)は、村の仲間の間で依然リーダー的存在だ。異性への興味も増し、村の他のグループとの喧嘩でエネルギーを発散させる毎日。そんな折、姉が嫁いでゆき、母も咽頭癌で入院し、家には男兄弟と、いまや90歳に手の届かんとする祖母が残される。退院してきた母はすっかり衰弱し、時を経ずして世を去った。やがて祖母も誰にも知られることなく息を引き取る。祖母の死に顔を見ながら阿孝は、祖母の帰りたがっていた大陸への道はどこにあったのだろうか、と回想する。幼い頃、故郷の橋を訪ねたあの青ザクロのなる道がそれだったのか、と。