ワーナー・ブラザース社ファースト・ナショナル1942年度製作で、43年映画アカデミー作品賞及び監督賞を得た作品。マレイ・バネット及びジョアン・アリスン合作舞台劇から、ジュリアス・J及びフィリップ・G両エプスタインとハワード・コッホの3名が共同脚色し、古く欧州映画界から渡米し、ワーナー・ブラザース社で大衆的作品に腕を振っていた老練マイケル・カーティズが監督に当り、これも老巧のアーサー・エディソンが撮影を担当している。出演者は、スウェーデン映画界のスターで、「間奏楽」によってアメリカ映画界にデビューし、以来、「アダムには4人の息子があった」「天国の怒り」「ジキル博士とハイド氏(1941)」「カサブランカ」「誰が為に鐘は鳴る」「ガス燈」(アカデミー演技賞獲得)「サラトガ本線」「セント・メリィ寺院の鐘」「呪縛」等に出演したイングリッド・バーグマンと、「デッド・エンド」等で知られたハンフリー・ボガートと英国の舞台を経てニューヨークの劇壇から映画入りをした新人ポール・ヘンリードの3人が主演し、「透明人間」等のクロード・レインズ、ドイツ映画界で「M」等に主演し後渡米して活躍中のピーター・ローレ、シドニー・グリーンストリート、ドイツ映画界の名優コンラード・ファイト等が助演するほか、S・サコール、マドレーヌ・ル・ボオ、ドーリー・ウィルソン、ヘルムート・ダンティーン、マルセル・グリオ、カート・ボイス、コリンヌ・ムラ、レオニード・キンスキイ、ジョン・クェーレン等の老練、中堅、新人が顔を並べている。