弘化三年。溯ること五年前に賊に襲われて崖から落ちて死んだと思われていた渡世人、木枯し紋次郎は、きこりの伝吉に助けられ杣人(そまびと)となって働いていた。ある時、事故で怪我をした伝吉は、木曽一帯を支配している貸元、木崎の五郎蔵一家に入った息子の小平次を連れ戻してくれと頼む。五郎蔵は幕府と農民とで騒ぎになっている運上(税)問題の間に入って、役人・商人とともに私服を肥やしていた。一家には紋次郎を親の敵と追っているお真知の姿もあった。紋次郎は伝吉の娘が止めるのを振り切って再び草鞋を履くことになる。小平次はすぐに見つけ出すが、お真知に邪魔されて逃げられてしまう。お真知は五郎蔵一家の加勢を得て川辺で紋次郎を殺そうとするが、川の流れを利用した紋次郎の方が勝つ。その時、お真知は紋次郎が敵ではなかったことを知る。一方、小平次も五郎蔵のからくりに気づき、単身一家に乗り込むが逆に半殺しにあい、紋次郎とお真知に助けられた。だが、廃屋で小平次の介抱をしているところを一家に取り囲まれ、対決となる紋次郎。今度は闇を利用して討ち勝つと、小平次に伝吉のもとに帰るよう言う。そしてそのまま彼は渡世の旅に出るのだった。