1990年、モスクワ。パリのモデル事務所にスカウトされてデビューした大学生のアナ(サッシャ・ルス)は、たちまち売れっ子となる。やがて事務所の共同経営者のオレグと付き合い始めるが、武器商人というオレグの裏の顔を知ったアナは、隠していた銃で容赦なくその頭を撃ち抜く。実はアナの正体は、ソ連の諜報機関KGBが生み出した殺し屋だった。3年前、モスクワで恋人と共にクスリに溺れる日々を過ごしていたアナは、堕落した生活にピリオドを打つため、海軍に志願。そこで、彼女の陸軍士官学校時代の成績に目を止めたKGBの捜査官アレクセイ(ルーク・エヴァンス)から、“軍事訓練1年、現場勤務4年、その後は自由”という仕事をオファーされる。1年後、過酷な訓練をクリアしたアナは、アレクセイから上官のオルガ(ヘレン・ミレン)を紹介される。オルガから“レストランで食事中のマフィアのボスから5分で携帯電話を奪う”というテストを受けさせられ、窮地に陥りながらも任務を遂行。無事に正式採用となる。その最初の任務が、オレグの暗殺だった。以後、オルガの指示の下、次々と国家の邪魔者を消していくアナ。同時に、その美貌を駆使してトップモデルへと上り詰めていく。だが、“5年で自由”という最初の約束がウソだったことを知り、ショックを受けたアナはある日、米国のCIAの罠に落ちる。捜査官のレナード(キリアン・マーフィ)から、寝返りを迫られたアナは、“1年で自由。ハワイで保護”との条件を飲む。アナに惹かれたレナードのスマートな対応で、二重スパイとしての任務は問題なく進行。ところがやがて、アナはレナードから、3年かけて計画した“KGB長官暗殺作戦”への参加を求められる。それは、KGB壊滅を狙ったものだった。果たして、成功確率0%の究極のミッションを前に、必ず生き抜くと誓ったアナが見つけた2大組織を出し抜く道とは……?