京都、コンビニもほど近い街の山。昼食・インスタントラーメンを作るため、わな猟師の千松信也は自分で獲ったイノシシを薪ストーブで煮込み、スープに。薬味は、子供たちが畑で摘んだネギ。仕上げに、飼っている鶏の卵を落とした。家のまわりのものだけで作る食事。命を食べ、命に変えている。千松信也は京都大学文学部在籍中に狩猟免許をとり、先輩猟師から伝統のくくりわな猟、無双網猟を学んだ。現在は、運送会社で働きながら京都の山で猟をしている。広大な山の中、直径たった12cmのわなで、まだ見ぬ獲物と知恵比べする。イノシシやシカをわなでとらえ、木などで殴打。捕らえられてもなお牙を鳴らし、荒い鼻息で抵抗するイノシシを制し、ナイフでつく。命を奪うことに慣れることはない。命と向き合うために千松が選んだ営みに、カメラは迫る。