若きダンサーのエマ(マリアーナ・ディ・ジローラモ)は、後悔の念に苛まれていた。かつて、養子として引き取ったコロンビア移民の7歳の少年ポロが放火事件を起こし、彼を児童福祉局に返す羽目になったのだ。当時のエマは母親として未熟だったが、今ではポロを心から愛おしく想い、もう一度やり直したいと願っていた。しかし、その願いは叶わず、所属するダンス・カンパニーの振付師である夫ガストン(ガエル・ガルシア・ベルナル)ともポロを巡る口論が絶えず、夫婦仲は険悪になっていた。さらにこの一件は、勤務先の小学校でも問題視され、エマは退職に追い込まれる。ついにガストンとの結婚生活が破綻したエマは、ダンサー仲間の家に身を寄せ、唯一の心のよりどころである情熱的なレゲトンダンスのリズムに身を委ねていく。そんなある日、エマは中年の女性弁護士ラケル(パオラ・ジャンニーニ)のオフィスを訪れる。表向きはガストンとの離婚調停の相談に乗ってもらうためだったが、エマは別の思惑を心に秘めていた。さらに、ダンサー仲間の協力を得て火炎放射器を入手したエマは、真夜中の市街地で車を炎上させる騒動を起こす。現場に駆けつけた実直な消防士アニバル(サンティアゴ・カブレラ)は、ラケルの夫だった。その後もラケルと親密さを深めながら、アニバルをも誘惑したエマは、2人の心のすき間に巧みに分け入り、妖しい魅力で彼らを虜にしていく。さらに、他の男性との交際を仄めかし、エマに未練を残す別居中のガストンの嫉妬心を煽り立てる。ラケル、アニバル、ガストンの間を彷徨い、悪女のように3人を手玉に取るエマ。だが彼女には、綿密に練り上げたある計画があった。その仕上げとして、ポロが通う小学校にダンス教師として潜り込むエマ。その先に待ち受けるのは破滅か、それとも希望か。かけがえのない愛を取り戻し、未来を切り開くため、エマが仕掛けた“罠”が迎える驚愕の結末とは……。