大阪、新世界。かつてヤクザの組を潰して廻っていた村上勝太郎(赤井英和)、通称・勝吉は、自身のボクシングジムを営んでいた。しかし、練習生がジムで覚せい剤の取引をして逮捕されたため、ジムを畳み、元犯罪者の更生プロジェクトを運営している幼馴染み・沢村源蔵の経営する串カツ屋で働くようになる。ある日、刑務所の慰問に誘われた勝吉は、訪れた刑務所で共にヤクザを潰して廻った弟分・神木雄司(上西雄大)、通称・コオロギと再会する。コオロギは悪い女に引っ掛かり、覚醒剤所持で服役していた。間もなく沢村の協力で出所すると、勝吉と共に串カツ屋で働き始める。勝吉はある日、宗教団体から逃げ出した徳永武という少年が捕まるところに居合わせ、武を助ける。武は洗脳されており、母親が入信して父親と別れさせられたショックから口がきけなくなっていた。武は筆談で会話しようとするが、失読症で文字が読めないコオロギは武が書く文字が読めず、悔しい思いをする。かつて勝吉にボクシングと“Never give up(ねばぎば)”という言葉を教えた恩師・須賀田元(西岡徳馬)の娘・琴音(有森也実)もその宗教団体に入信していた。武と恩師の娘を助けるため、勝吉とコオロギは再び立ち上がる……。