漫画家を目指す草介(笠松将)は、絶滅したニホンオオカミを題材に漫画を描いていたが、肝心のオオカミをうまく形にできず、前に進めないでいた。ニホンオオカミの痕跡を求めて入った山中で、レトロなカメラを構えた少年と出会う草介。その少年は、“オオカミは、多分まだここにいる”と、意味深な言葉を残して去っていった。やがて草介は、バイト先の工事現場で、動物の頭蓋骨らしきものを発見。漫画のヒントになるかもしれないと考え、こっそり持ち帰って調べるが、骨の正体は分からなかった。気になった草介は、冬の花火大会に繰り出す人々とすれ違いながら、誰もいない夜の工事現場へ。そこで更なる発掘を続けていたところ、逃げ出した飼い犬のシロを探す不思議な娘・ミドリ(阿部純子)が現れる。草介の姿に驚いたミドリは、転倒して足を負傷。歩けなくなった彼女を、写真館を営む家族の元へ送り届けたところ、そこにはいつも目にする東京の街とは異なる風景が広がっていた……。