長崎県川棚町の生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシア語学科在学中より演劇に携わり、1975年に大学を中退後、劇団“自由劇場”に入団。78年、自由劇場出身の柄本明らと劇団“東京乾電池”を旗揚げ、作・演出を担当して、89年の『蒲団と達磨』で岸田國士戯曲賞を受賞する。92年の脱退後も“竹中直人の会”や自身の公演を手がけ、94年に『こわれゆく男』『鳩を飼う姉妹』で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。その間、森田芳光総指揮のオムニバス「バカヤロー!2・幸せになりたい」89の第3話「新しさについていけない」で映画監督デビューし、93年の「お墓と離婚」では初の長篇にも挑んだ。97年の竹中直人監督「東京日和」では脚本を担当し、日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。また、俳優としても市川準監督「会社物語」88以降、多くの映画、テレビドラマに出演する。当初は、竹中監督「無能の人」91、「119」94、柄本明監督「空がこんなに青いわけがない」93など友情出演的なものが多かったが、淡々と悪意をぶつける産婦人科医を妙演した橋口亮輔監督「ハッシュ!」02など、常識人ふうの外見に狂気や愛嬌を秘めた独特の個性で、次第に頭角を現す。とりわけ三木聡監督とは、2004年に撮影された「ダメジン」以降、平凡な主婦を不思議な世界に導く自称スパイを快演した「亀は意外と速く泳ぐ」05、“妻殺し”をコミカルに彩る「転々」07や、テレビ朝日『時効警察』06、『熱海の捜査官』10などのテレビドラマまで緊密な関係を築いた。ほか、突飛な設定に潜むリアルさを不気味に体現した渡辺謙作監督「となり町戦争」07、酒癖は悪いが憎めないヒロインの叔父を好演した石井裕也監督「川の底からこんにちは」10や、フジテレビ『のだめカンタービレ』06、『外交官・黒田康作』11、NHK『監査法人』08、『天地人』09などのドラマ、さらに『アジアの女』06、『中国の不思議な役人』09などの舞台と、幅広く活躍を続ける。08年に長篇第2作の「たみおのしあわせ」を監督。