神奈川県横浜市の生まれ。本名・嶋田哲夫。東洋大学文学部哲学科を卒業後、さまざまな職を経て、1984年、小劇団“東京グラン・ギニョル”の旗上げに参加。86年の解散まで、全公演に出演する。88年、荒俣宏原作、実相寺昭雄監督の「帝都物語」で、帝都壊滅を目論む魔人・加藤保憲を長身に面長の強烈な存在感で怪演し、鮮烈な映画デビューを飾る。同作で高崎映画祭新人賞を受賞。その衝撃を楽しむかのように、とぼけた刑事“東京”を飄々と好演した岡本喜八監督「大誘拐/RAINBOW KIDS」91などで演技の幅を広げつつ、滝田洋二郎監督「病院へ行こう」90、「僕らはみんな生きている」93では、個性派の面々に負けじとコミカルな演技も披露。実相寺監督「屋根裏の散歩者」94、「D坂の殺人事件」98では名探偵・明智小五郎役にも淡々と挑んで見せた。以降も、大林宣彦、三木聡らに常連俳優として起用される一方、ヒロインを支える甲賀忍者に扮した原口智生監督「さくや妖怪伝」00、文豪・徳田秋聲を静謐な佇まいで妙演した青山真司監督「秋聲旅日記」03、体罰も辞さぬ熱血教師役で場をさらう李相日監督「69/sixty nine」04、科学者のエゴをリアルに演じた中嶋莞爾監督「クローンは故郷をめざす」09など、新人や気鋭の意欲作にも積極的に参加。登場するだけで目や耳を惹く独特の風貌や声はテレビドラマでも活かされ、NHK『ハゲタカ』07、TBS『魔王』『ブラッディ・マンデイ』08、『ランナウェイ・愛する君のために』11、フジテレビ『ジェネラル・ルージュの凱旋』10など多数に出演。『GACKT眠狂四郎無頼控』10では、久々に舞台にも復帰した。