神奈川県横浜市の生まれ。1997年にセントラル子供劇団に入団し、本名の“塚本璃子”の名で子役として活動を始める。2000年、テレビ朝日『TRICK』で主演の仲間由紀恵の少女時代を演じ、ドラマデビュー。02年の「TRICK劇場版」では事件の鍵を握る美少女の役でゲスト出演し、映画デビューも飾った。フジテレビ『クニミツの政』03、NHK『川、いつか海へ・6つの愛の物語』03などに出演したのち、04年、芸名を“成海璃子”と改め、翌05年の日本テレビ『瑠璃の島』で弱冠12歳にして主演に抜擢される。廃校寸前の小学校を存続させるために里親制度をとる沖縄の離島が舞台のこのドラマで、彼女は親の愛情を知らずに育った孤独な少女・瑠璃に扮し、島の暮らしの中で再生していく姿を好演して、その凛とした佇まいと大人びた美少女ぶりとが評判を呼んだ。これ以降、大人と子供の間を揺れ動くティーン女優の代表格として輝きを放ち、フジテレビ『1リットルの涙』05、日本テレビ『神はサイコロを振らない』06、『受験の神様』07などのドラマで活躍。08年のフジテレビ『ハチミツとクローバー』では撮影当時15歳ながら美大生のヒロインを演じるなど、実年齢よりも年上の役柄を演じることも多かった。映画は、三池崇史監督「妖怪大戦争」05、西村了監督「ウォーターズ」06などの助演を経て、07年の萩生田宏治監督「神童」で初主演。幼い頃から習っていた特技のピアノを活かし、“神童”と呼ばれる天才中学生ピアニスト・成瀬うたを独特のオーラをまとって好演する。その存在感に加え、勘の鋭さを併せ持つ高い演技力が映画界でも重宝がられ、市川準監督「あしたの私のつくり方」07、竹中直人監督「山形スクリーム」09、古厩智之監督「武士道シックスティーン」10、猪股隆一監督「書道ガールズ!!・わたしたちの甲子園」10、長崎俊一監督「少女たちの羅針盤」11など主演映画が相次いで製作され続けている。そのジャンルもシリアスな人間ドラマから青春映画、ミステリー、ホラー、コメディと多岐に渡り、当初の神秘的な美少女キャラクターから次第に等身大の若者像へとゆるやかに広がりを見せる。テレビドラマはほかに、NHK『咲くやこの花』10、フジテレビ『BOSS』11など。