兵庫県津名郡一宮町(現・淡路市)の生まれ。中学時代から映画俳優への夢を抱き、日本大学芸術学部映画学科へ進学するが、1968年に中退。劇団自由劇場に裏方として入団し、72年の『ヴォイツェク』で初舞台を踏んで本格的に俳優として活動を始める。79年初演の『上海バンスキング』では、トランペット吹きのバクマツ役を演じて注目される。82年に自由劇場を退団。舞台だけでなく映像ジャンルでも起用されるようになり、83年の松林宗恵監督「ふしぎな國・日本」で映画初出演する。85年、渥美清の推薦で山田洋次監督「男はつらいよ・柴又より愛をこめて」に起用され、以後のシリーズにさまざまな役柄で出演。西田敏行主演の「釣りバカ日誌」シリーズ88~09にも、三國連太郎扮する社長の運転手役でレギュラー出演した。小柄で愛敬のある容姿を活かし平凡な庶民から卑怯な悪役まで幅広い役どころで評価を高め、自ら“ワンシーン役者”と自称する名脇役に。「男はつらいよ」以外でも山田監督作品では常連となり、2006年の「武士の一分」では、木村拓哉扮する下級武士に仕える中間・徳平を飄々とした味わいで好演、キネマ旬報賞、毎日映画コンクール、日本アカデミー賞など数多くの助演男優賞に輝いた。山田のほか、マキノ雅彦(=津川雅彦)、佐々部清、三木聡らの作品でも重用される。テレビドラマの出演も多く、NHK大河ドラマ『新選組!』04、『天地人』09、テレビ朝日『時効警察』06・07、『交渉人/THE NEGOTIATOR』08・09、TBS『新参者』10などで印象深い助演を見せる。舞台出演も多数あり、歌舞伎俳優として“淡路屋”の屋号も持つ。42歳の時に17歳年下の劇団研究生と結婚。4人の息子たちはいずれも子役として活動している。