東京都練馬区の生まれ。1997年、芸能事務所オスカープロモーションが主宰する“第7回全日本国民的美少女コンテスト”で審査員特別賞を受賞。4人組のアイドルユニット“Z-1”の一員として芸能活動を始める。99年、黒川浩行監督「殺人者」で女優デビュー。岩城滉一演じる主人公の殺し屋に命を助けられるスラム街の少女を演じた。翌2000年、フジテレビ『涙をふいて』でテレビドラマ初出演し、以降は本格的に女優として活動を開始する。彼女の存在が大きくクローズアップされたのは、01年のTBS『3年B組金八先生』から。性同一性障害を持つ鶴本直役でレギュラー出演し、身体は女性だが精神は男性であることに悩むという難役に挑戦した。ショートカットで学生服を着て、キュッと口をつぐんで自分の生き方を通そうとするひたむきな姿が印象的だった。02年、ゴールデンアロー賞の最優秀新人賞を受賞。“Z-1”の活動を休止し、シングル『pureness』でソロ歌手としてもデビューして、全国区の人気を獲得する。以後もTBS『マイリトルシェフ』02、『高校教師』03などのテレビドラマやCMなどを中心に活躍が続く中、小山ゆうの人気劇画が原作の北村龍平監督「あずみ」03で映画初主演。江戸初期を舞台に、徳川政権に反旗を翻す者たちを葬るために育成された暗殺者集団のひとり、あずみ役を演じる。初の時代劇でもあり、マントを翻して剣を振るう本格的なアクションにも、小柄な身体で懸命に取り組んだ。05年には金子修介監督の続編「あずみ2/Death or Love」も公開。その後の活動の中心はもっぱらテレビドラマで、連ドラ初主演となったTBS『ひと夏のパパへ』03以降、テレビ朝日『エースをねらえ!』04、『アタックNo.1』05、『下北サンデーズ』06、『ホテリアー』07、フジテレビ『アテンションプリーズ』06、『暴れん坊ママ』07、『セレブと貧乏太郎』08、『絶対零度・未解決事件特命捜査』10、日本テレビ『ホカベン』08、NHK『10年先も君に恋して』10など数々のドラマで主役をつとめる。10年、「あずみ」シリーズで共演した小栗旬の初監督映画「シュアリー・サムデイ」では、上戸彩自身の役で出演した。CMなどのイメージも明るく快活なキャラクターで、常に汚れなき女性像を託されることが多かったが、10年のフジテレビ『流れ星』では風俗嬢の槙原梨沙を演じる。世を拗ねながら真実を求める純粋さが滲んだ。