鹿児島県出身。神奈川県相模原市で育ち、中学時代に渋谷でスカウトされ、2002 年に女の子向けファッション雑誌『SEVENTEEN』の専属モデルとしてデビュー。同誌のモデルは、女優デビュー後も09 年に“ 卒業” するまで7 年間継続した。女優としてのデビューは、04 年にNHKで放送されたホームドラマ『ジイジ・孫といた夏』。この作品で西田敏行演じる“ ジイジ” に反発する孫、高校2 年生の片岡あたる役を好演。全4 回の放送だったが、好評のため翌年、続編の『ジイジ2・孫といた夏』も放送された。このドラマの直後に映画「スペースポリス」04 でスクリーンデビュー。SF コメディ調の作品で、人食いエイリアンに体を乗っ取られるファミレスのウェイトレス、ユカリを演じた。続いて恋愛ものなど数本の映画に出演した後、06年にフジテレビ『ダンドリ。/ Dance ☆ Drill』でテレビドラマ初主演。高校のダンスドリル部が全米選手権で優勝した実話に基づくこの作品では、部を引っ張っていく相川要役を好演。クライマックスの全国大会のシーンでは華麗なチアダンスも披露している。さらに08 年、NHK 朝の連続テレビ小説『瞳』に主演。東京の下町を舞台に、里親として子供を育てる祖父を手伝いながらダンサーを目指す一本木瞳役を熱演した。なお、この二作に加えて「阿波DANCE」07 でも披露しているダンスは、彼女の特徴のひとつでもある。ほかにテレビドラマはフジテレビ『メイちゃんの執事』09、『泣かないと決めた日』10 でともにヒロインを演じている。そして09 年、瑛太とともにダブル主演した「余命1カ月の花嫁」が興行収入30 億円を超える大ヒットとなり、知名度が一気にアップ。乳がんで亡くなった女性とその恋人の実話を元にした感動の物語は、幅広い支持を得た。実在の人物、長島千恵役を演じた榮倉は、モデルとなった人物のイメージに合わせて、それまでのロングヘアーをショートカットに変更するほどの気合を見せ、恋人に支えられながらがんと闘う女性を、いつもの溌剌さを抑えつつ見事に演じ切った。また、三味線の藤本流準師範という肩書を持つ榮倉は、この作品で三味線の腕前も披露している。170 センチのすらっと伸びた長身が醸し出す健康優良児的溌剌さと元気の良さが彼女の魅力だが、女優としてはまだまだ今後の成長を期待させる素材でもある。次回作「のぼうの城」11 では初の時代劇にも挑戦している。