函館に住む短大生の真乃(桐谷美玲)には忘れられない幼なじみがいた。彼の名は遠藤速人。10年前、当時小学校5年生だった速人と家族を乗せた自動車が、岩壁から海に飛び込んだのだ。事件は一家心中として決着したが、速人の遺体だけが発見されなかった。生前の速人と交わした約束を思い出して、いまだに彼を忘れることのできない真乃。そのせいで、友人たちのように学生生活を楽しむことができずにいた。そんな時、サークルの公式サイトに“ワスレナグサ”を題材にしたコメントを依頼された真乃は、思案の末、“私も昔のことは忘れようと思う。忘れてしまっても、いいのだと思う。忘れて、新しい日々を始めるの”と書き込む。もうじき短大を卒業する自分に言い聞かせるように。そして真乃にはもう1人、速人と一緒によく遊んでいた田村亨という幼なじみがいた。長い間、真乃のことを想い続けてきた亨は、ある晩、思い切って自分の気持ちを真乃に告白する。だが、ちょうどその頃、真乃は速人にそっくりな青年を目撃。速人が生きているかもしれないという望みを抱き、事故について調べ始める真乃。調査に協力しつつも、真乃を心配する亨や友人たち。そしてついに速人そっくりな青年は真乃の前に姿を現す。だが、彼は速人ではなく、従兄弟の勇麻だった。それでも真乃は勇麻とたびたび会うようになる。そんな彼女を見守る亨。やがて、勇麻から速人の話を聞き、思い出の場所を訪ねるようになると、真乃の周りで不思議な出来事が起こり始める。速人は本当に生きているのか?勇麻が真乃の前に現れた本当の理由とは……?危険が迫る中、真乃は自分の中の速人への溢れる想いを止められず、彼を探し続ける……。