画家の瀬島匠は山形にある東北芸術工科大学で学生を指導しつつ、日本中を駆け巡って創作活動を続けている。眠っている時間以外は常に何かを作り、ラジコンを飛ばし、絶え間なく言葉を発し、30年間“RUNNER”という同じタイトルで絵を描き続けている。極端に短い睡眠時間で、10代のころに35歳で死ぬと思い込み、逆算して人生を過ごしてきた。しかし、50歳を過ぎた現在も生き続け、もう余生だと言いつつ、あり余るエネルギーを撒き散らしながら全力で今を生きている。自由奔放に人生を謳歌している破天荒で幸せな人と周囲からは見られているが、光あるところには影があるように、生まれ故郷の広島県尾道市因島でのある宿命を背負って生き続けていることが明かされる。そこには秘められた家族の物語があった……。