独立して2年目となるカメラマン・東麟太郎(染谷将太)と姉・美也子(戸田恵梨香)の父・日登志(永瀬正敏)が死ぬ。通夜の準備が進むなか、母・アキコ(斉藤由貴)が通夜ぶるまいの仕出し弁当を勝手にキャンセルする。何もないテーブルを見つめて戸惑う親戚たちに、アキコは日登志の遺言に従い、自分で作るという。最初に運ばれてきたのは、目玉焼きだった。それは、日登志が最初に作ってくれた料理だった。登山家の日登志とアキコは再婚同士で、20年前に家族となった。麟太郎(外川燎)が7歳、美也子(森七菜)が11歳で、アキコには17歳のシュン(楽駆)という男の子がいた。5人は気持ちを少しずつ手繰り寄せ、家族として暮らし始める。しかし、1本の電話がこの家族を変える。シュンは、父と2人で山登りへ行った翌日、自分の22歳の誕生日に家を出て行った。以来、5人が揃うことはなかった。次々と出されるアキコの手料理を食べながら、麟太郎たちの脳裏に家族として暮らした5年間の思い出がよみがえる。通夜ぶるまいが終盤に差しかかったとき、シュン(窪塚洋介)が15年ぶりに現れる……。