1981年、マイアミ。禁酒法時代から戦後までアメリカの暗黒街を牛耳った伝説のマフィア王マイヤー・ランスキーは、自分が死ぬまでは誰にも読ませないことを条件に、作家のデヴィッド・ストーンに伝記執筆を許可する。そしてインタビューがはじまり、ランスキーはこれまでの歩みを赤裸々に語りはじめた。貧しい幼少時代、ラッキー・ルチアーノとの出会い、殺し屋集団マーダー・インクを組織し、ついにはアル・カポネやフランク・コステロと肩を並べるまでに上り詰め、巨万の富を築き……。ランスキーの語る半世紀を超える人生は、血塗られたギャングたちの壮絶な抗争の歴史でもあった。インタビューが終盤に差しかかった頃、ストーンはFBIが3億ドルともいわれるランスキーの巨額資産を捜査していることに気付く。ストーンは捜査協力を強いられ……。