アーサー王の甥である若者サー・ガウェインは、正式な騎士になれぬまま、怠惰な日々をおくっていた。クリスマスの日。円卓の騎士たちが集う王の宴に、まるで全身が草木に包まれたような異様な風貌をした緑の騎士が現れる。彼は“遊び事(ゲーム)”と称した恐ろしい首切りゲームを持ちかける。その挑発に乗ったガウェインは、その騎士の首を一振りで斬り落とすが、緑の騎士は転がる首を自身の手で拾い上げると、「1年後のクリスマスに私を捜し出し、ひざまずいて、私からの一撃を受けるのだ」と言い残して去ってゆく。それは呪いと厳しい試練の始まりだった……。気が触れた盗賊、彷徨う巨人、言葉を話すキツネ……生きている者、死んでいる者、そして人間ですらない者たちが次々に現れ、ガウェインの旅路を導いてゆく。