男性      女性

※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。

フォロー
フォロワー 4 297位
いいね!したレビュー
いいね!されたレビュー 306 129位
総鑑賞本数 1126 1164位
総鑑賞回数 1204 1132位
レビュー 1203 140位
観たい

KINENOTE公式Twitter

KINENOTE内検索ランキング

映画

映画人

     KINENOTE DATA       前日比
会員数 54,723 0
総鑑賞データ数 7,051,319 907
総レビュー数 930,488 174
鑑賞方法別データ数
映画館 1,829,878 292
レンタル 596,697 17
購入 124,541 9
VOD 556,362 215
テレビ 922,134 142
その他 158,362 19
鑑賞日 2025/03/12  登録日 2025/03/16  評点 80点 

鑑賞方法 映画館/神奈川県/kino cinema 横浜みなとみらい 
3D/字幕 -/字幕
いいね!レビューランキング -位

作品は様相を変えていく

ロシアの大富豪の息子と結婚した風俗店に勤める女性が、両親が来ると知って突如失踪した夫を追い、自分たちの結婚を貫こうとする。
大富豪の息子と女性が住む邸宅に見守り役と手下の用心棒が来る辺りまでは、愛で結ばれた若い二人と彼らを裂こうとする両親、その手先のコワモテの男たち、という構図で見ていたら、そのあとがこっちの予想と全然違ってくる。
まず、大富豪の息子がヘタレである。両親が来ると聞いて遁走(とんそう)する。
見守り役と用心棒がコワモテのわりにすごみがなくて、間が抜けている。
そして、女性は強い。おそらく風俗店で数々の修羅場をくぐり抜けてきたに違いない。つかんだ幸せを脅しの一つ二つでは手放さない。髪を振り乱し、大声を上げ、逆に殴る蹴るの大暴れだ。見守り役の上役であるロシア正教の司祭が到着しても彼女の抵抗は止まらない。
この大騒ぎで一気に画面はコメディーになる。話がうますぎるぐらいのシンデレラの物語※が様相を一変する。見ているこっちは大笑いだ。
見ているうちに、チャップリンの有名な言葉を思い出した。
「人生はクローズアップ(近く)で見れば悲劇だが、ロングショットで(離れて)見ればコメディーだ」
本作品は一緒に息子捜しに出た4人の男女を追う。(画面上にクローズアップもロングショットもあるが)それぞれの心情の深部に入りこんでいかない。離れている。だからコメディーに見える。
ところが、最後の最後に作品は女性に寄り添う。心情の奥底に入り、クローズアップする。あっという間に彼女の悲しみに触れる。コメディーは一気に深い人間ドラマに変わる。
夢のようなシンデレラ物語、コメディー、人間ドラマと作品は様相を変え、最後に深い感動を生む。

※ちなみに冒頭がシンデレラの物語であることは、作品中で触れられている。女性は新婚旅行でディズニーワールド(シンデレラ城がある)に行きたいと言い、同僚が「シンデレラね」と言う場面があった。