愛知県豊橋市の生まれ。本名・鈴木末七。県立豊橋工業高校を１年で中退し、名古屋の寿司屋で働いていたが、間もなく俳優を目指して上京。劇団フジで演技を学び、数本のテレビドラマに出たのち、勝新太郎の付き人となる。1976年、フジテレビ『人間の條件』の梶役で初主演。勝の下で鍛えた殺陣と乗馬の実力、颯爽とした風貌を買われ、次いで78年のテレビ朝日『吉宗評判記・暴れん坊将軍』の主役に抜擢される。貧乏旗本の徳田新之助、実は八代将軍・徳川吉宗役。新進俳優が一から吉宗像を作っていく方針は当たり、82年まで続く大ヒット作に。『暴れん坊将軍Ⅱ』83からは長期シリーズ化し、2002年の第12シリーズ、以後の単発スペシャルまで続く、一世一代の代表作となる。その間も、NHK大河ドラマ『草燃える』79、『峠の群像』82、現代劇の同局『炎熱商人』84などで活躍。舞台版『暴れん坊将軍』にコンサートと公演活動も精力的に行なう。大地真央と共演した『風と共に去りぬ』87のレッド・バトラー役、『王様と私』88の国王役も高く評価された。映画出演は、長く初期の脇役１本のみだったが、91年の蔵原惟繕監督「ストロベリーロード」で初主演。60年代のカリフォルニアに移住、荒れ地を開いて苺農園を作る男を演じる。その後は再びドラマと舞台に専念し、日本初の孤児院を作った石井十次役の山田火砂子監督「石井のおとうさんありがとう」04が、13年ぶりの映画となる。以前から公演で歌っていた『マツケンサンバⅡ』が、04年になって大ヒットを記録。華麗な衣裳で歌い踊る変身でさらに人気を高めたあとは、夜間高校に入学する組長役の横山一洋監督「クジラ・極道の食卓」09などの映画でイメージの落差を活かし、テレビドラマでもフジテレビ『新・美味しんぼ』07～09の美食家・海原雄山、同局『任侠ヘルパー』09のやくざの大幹部、テレビ朝日『断絶』09の代議士など多彩な役に挑戦している。11年、『仮面ライダーオーズ』の劇場版に江戸の町に迷い込んだ仮面ライダーと出会う吉宗役で出演。ライダーより目立つ間際で退場する姿に本格時代劇スターの貫禄を見せた。90年、大地真央と結婚するが04年に離婚。05年に元アイドル歌手で女優の松本友里と再婚し、一男をもうけるも、10年に死別した。