孤独に勝てないヒーロー

地球から120年かけて他の星へ移民する巨大宇宙船内で起こる事故から運命が変わる人間の弱さと再生が描かれたものとして考えた。
まず弱さとはエンジニアの主人公ジムが人工冬眠ポッドの故障で1人だけ冬眠から覚め、目的地に着くまで90年かかり再度冬眠できない現実に直面したことから絶対的な孤独に陥り、1年過ごした後で他のポッドに眠る自分が恋した女性を故意に目覚めさせる弱さだ。
彼は彼女の人生を彼の意志で無理矢理変えることになる。
始めはそのことを知らない彼女は彼の優しさと他に誰もいない状況から恋に落ちる。
しかし事実を知った彼女が彼の行為を許すことはできない。
まあしょうがないだろう。
もちろん乗客の安全のために宇宙船側がクルーにアクセスできるようにするとか用意しておかなければいけないと思うが。
そしてまたもやポッドの故障でクルーの一人ガスが目覚める。
しかし宇宙船は隕石の衝撃のせいでトラブルが頻発し出して、重力のコントロールが乱れるなど本作のCGの見所となるが、ちょっと雑な印象（派手さを強調しすぎ）。
ガスはポッドの故障で体に変調をきたし死に至るが、クルーとしてのアクセス権を2人に託す。
宇宙船はエネルギー源の核融合炉の暴発の危機を迎える。
暴発すれば宇宙船の冬眠している乗客5千人とクルー全員もちろん2人も命はない。
ここで主人公は自らの命も省みず故障を修理し、核融合炉の暴発を食い止めようとするのだ。
これが彼の再生の第1歩だ。
そして危機を回避した後、ガスのアクセス権で再度1人だけポッドで冬眠できる権利を彼女に渡すことで彼の再生の第2歩が進む。
彼女は運命を元に戻す権利を放棄することで彼女の再生が始まり、彼女との人生を歩むことで彼は再生を完結する。
でも2人はアダムとイブになって子供をつくらなかったのはどうしてかな？と少し思った。
Jロレンスのバデイなら4，5人産めそうだけどね。