1990年代、アルジェリア。人里離れた山間の小さな村の修道院で、修道院長クリスチャン(ランベール・ウィルソン)を始めとするカトリックのシトー会に所属する修道士たちが共同生活を送っていた。戒律を厳格に守り、貧しい人々とともに働き、病める者の面倒を見て過ごす日々。修道士の1人、リュック(マイケル・ロンズデール)は医者でもあり、近所から訪れる多くの人々を診察していた。修道士たちはイスラム教徒の地元民と良好な関係を築いていたが、アルジェリアは内戦の真っ只中。暴力行為やテロがこの土地にも暗い影を落としていた。イスラム過激派による市民の虐殺に加え、アルジェリア軍との衝突で多数の犠牲者が出る。やがて、修道院からそう遠くないところでクロアチア人が殺される事件が起きる。軍が修道士たちの保護を申し出るが、クリスチャンはこれを辞退。クリスマス・イブの夜、ついに過激派グループが修道院に乱入する。負傷した仲間の手当てのために、リュックを連れ出そうとする過激派に対して、彼は診療所を訪れた人を診察するためにいるのだと、きっぱり断るクリスチャン。そしてコーランを引用して、キリスト教徒とイスラム教徒が隣人であると説く。一難去った後、アルジェリアを去るべきか否か、議論が交わされたものの、意見はまとまらない。各自で考える時間を与えられ、独り物思いにふけるクリスチャン。やがて修道院に戻った彼は、自分の気持ちを手紙に書いて残すことにする。大使館からは内務省による帰国命令が出ていることを告げられるが、地元住民からの強い残留要望を受け、クリスチャンは迷う。殺される恐怖との戦い、断ちがたい人生への執着。それぞれに異なる考えや事情を抱え、ひとりの人間として悩み苦しむ修道士たち。この土地を出て行くか、残留するか。やがて彼らは採決の時を迎える……。