奔放なゲイライフを送るペットショップで働く直也、ゲイであることを周囲に悟られないように暮らしている土木研究所で働く勝裕。2丁目で出会い交際を始めたふたりの前に、ある日、歯科技工士をしている朝子と言う女が現れる。人と触れ合うことを諦め、愛の無いセックスを繰り返す日々を送っている彼女は、勝裕がゲイであることを知った上で、彼の子を妊娠したいと相談を持ちかけてきた。幼くして父親を亡くしていた勝裕は、自分が父親になれるかもしれないことに興味津々。一方、初めは激怒していた直也も彼女の真剣な態度に次第に理解を示し、やがて3人は子供を持つことに前向きに取り組んでいく。ところが、勝裕に想いを寄せる同僚のエミの密告でそれを知った勝裕の実家の嫂が、精神科に通院歴のある朝子の血を栗田家に入れる訳にはいかない、彼女は家族を、そして子育てを軽く考えていると猛反対し大騒ぎとなってしまう。しかし、その兄一家も兄の急死で敢えなく崩壊。こうして従来の家族の在り方の儚さを目の当たりにした3人は、新しい家族の可能性を探って新たな一歩を踏み出していくのであった。