煽りたいだけで真実なんて追う気など皆無の報道メディア、それに踊らされる大衆。そこは原作小説と同じ濃度で描かれてはいるが、都落ちする者の惨めさ、過去の栄光にすがりたがる男の哀しき性といった部分に関してはスルー気味。そこにもゾッとしてニヤッとできる作品だったのになぁと思いつつ、小説うんぬんを抜きにすれば余裕で極上のサスペンスにはなっている。最近、じわじわと体が弛みだして精悍さが消えつつあるベン・アフレックだが、それがマヌケ夫の役柄をリアルなものに。