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キネ旬読者歴44年。自他ともに許す映画狂。

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レンタル 596,651 13
購入 124,514 5
VOD 555,658 117
テレビ 921,674 85
その他 158,303 15
鑑賞日 2025/03/12  登録日 2025/03/13  評点 78点 

鑑賞方法 VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/テレビ 
3D/字幕 -/-
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ナミビアの砂漠
映画にはどんな形があってもいいとは思っているものの、報告書を書く仕事を長らくやってきたこともあって、言葉にはこだわりがある。故に、シナリオは、一言一句に心血を注ぐべきだし、構成も映画的省略などをぎりぎりに追い詰めて、骨格をしっかりと決めたものが好きである。したがって、起承転結もメッセージもはっきりしない本作品は元来認めたくない。しかし、主演の河合優実と監督山中瑶子の二人の若い女性の共闘による圧倒的なリアル感には圧倒された。
 カナは怠惰で家事も家賃の支払いも同棲相手任せ、他に興味ある男ができれば平気で嘘をつき乗り換える。自由気ままに暮らしているのに、そんな自分にも苛立っている。さらに、気に入らないと暴力衝動を抑えきれない。行ってみれば、「最悪」の女がスクリーンに息づいている。まさに、河合優実まつりともいうべき作品である。女優の形は、桃井かおり、秋吉久美子といったどの役においても彼女たち自身が存在する、役を自分に引き寄せるタイプと大竹しのぶのような憑依し、役になりきるタイプに大別されると考えるが、河合優実はそのどちらでもない。まるで、実際の生活を盗撮しているかのように、肉体を含めまさに「そこにいる」のである。これは相当に凄い。カナが相手の話を聞いていない感じのリアルさには笑いそうになった。職場にせよ、ハイソな場所にせよ、どこにも居場所はない感じもよく伝わる。もちろん、それを引き出す環境を作り(監督のオリジナルシナリオ)、切り取った監督山中瑶子の凄さも相当なものだとは思う。
 優しさだけで退屈なホンダはともかく、いいところのお坊ちゃんで、才能にも恵まれているようなハヤシが、おそらく今まで経験したことのない女との暴力を含む壮絶な日々に、「もう無理」と言いながら、別れない展開もすごく面白い。後、カナはカウンセリングに通っているものの、僕には自分の気ままさを病気のせいにして、自己肯定しているようにしか思えない。もちろん、どこに精神的な問題に該当するのかの線引きは難しいとは思うけれど。
 ともかく、自分にとって、苦手なジャンルの作品でありながら、ここまで面白くみられるとは驚いた。後、河合優実については、大河ドラマとか大作映画の拘束のなかで、いかに自分が出せるかという部分も見てみたい気がする。