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     KINENOTE DATA       前日比
会員数 54,723 0
総鑑賞データ数 7,048,460 589
総レビュー数 929,966 176
鑑賞方法別データ数
映画館 1,828,994 218
レンタル 596,651 13
購入 124,514 5
VOD 555,658 117
テレビ 921,674 85
その他 158,303 15

鉄格子の彼方

  • てつごうしのかなた
  • Au Dera des Grilles
  • ----


  • 平均評点

    67.9点(26人)

  • 観たひと

    31

  • 観たいひと

    8

  • レビューの数

    7

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 フランス イタリア
製作年 1949
公開年月日 1951/5/8
上映時間
製作会社 A・グワリーニ=フランシネックス
配給 新外映
レイティング
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
カラー/サイズ モノクロ/スタンダード
メディアタイプ
音声
上映フォーマット

スタッフ

キャスト

解説

イタリア製作者アルフレッド・グワリーニがフランシネックス社の協力によって製作した一九四九年度伊仏提携作品。「自転車泥棒」のチェザーレ・ザヴァッティーニとチェッキ・ダミコがグヮリイニと協力したオリジナル脚本を、「田園交響楽」のコンビ、ジャン・オーランシュとピエール・ポストが潤色・台詞を書き、「海の牙」のルネ・クレマンが監督した。撮影は「宝石館」のルイ・パージュ、音楽はロマン・ヴラドが担当する。「獣人」のジャン・ギャバン、「ホテル・イムペリアル」のイザ・ミランダ、アンドレア・ケッキの他、ヴェラ・タルキ、ロベール・ダルバン、アヴェ・ニンキらが出演する。なお本作品は五〇年度のアカデミー外国映画賞を獲得、クレマンとミランダには夫々四九年カンヌ映画祭で監督、女優賞を授けられている。

あらすじ

ジェノバの港に、年老いたフランス・ピエール(ジャン・ギャバン)が降り立った。彼は烈しい歯痛に悩まされていたうえ財布をすられた無一文で、行商人から掴まされたニセ札しか持っていなかった。港の少女チェッキイナ(ヴェラ・タルキ)の案内で歯医者に出かけたが、ニセ札を見破られて警察へ出頭した時、少女の母である給仕女マルタ(イザ・ミランダ)に会った。ピエールに好意をもった彼女は、彼をアパートに連れて来たが、その夜彼女と別居している夫がやって来て、チェッキイナを取りかえそうとした。ピエールが夫を追いかえしたことから、彼とマルタの交情は更に濃くなった。船に戻ろうとして乗船を拒否されたピエールは再びマルタの許に帰り、初めて自分が情婦殺しのお尋ね者であることを告白した。マルタの愛は変らなかったがチェッキイナは二人の間を嫉妬しはじめ、ピエールを港に戻そうとした。一方警察はマルタの夫の告訴により、アパートを調べに来、更に情婦殺しの捜査の手も伸ばしはじめた。それも知らず再びマルタの許へ戻って来たピエールは、母子のためにさまざまな物を買い与えてマルタを喜ばせたが、しかし遂に彼女の夢も崩れる日がやって来たチェッキイナの眼をさけようとした二人は却って待伏せした警官のワナにかかったのである。お前のためにはこの方がいいんだと、ピエールはひとり司直の手に引かれていった。

関連するキネマ旬報の記事

  • 鑑賞日 2024/11/24

    登録日 2024/11/25

    評点 65


    鑑賞方法 VOD/U-NEXT 


    悲恋に終わる男と女。 ネタバレ

    ルネ・クレマン監督、ジャン・ギャバン主演による1949年作。密航してイタリア・ジェノバの港に歯痛が耐えきれず降り立った主人公ピエールが、給仕として働くマルタと知り合い愛を育むが…というメロドラマ。

    ピエールが故国フランスから逃げてきた理由は若い妻の裏切りを許せずに殺したからと聞くと、ピエールへの同情心も薄れるが、マルタの娘チェッキーナが、ピエールに迫る警察の包囲網を知らそうと奔走するも気付いてもらえない展開には意外にハラハラさせられた。

    港町を舞台に悲恋に終わる男と女。ギャバンの代表作「望郷」の影響はその後も強いと思われる。


  • 鑑賞日 2024/01/02

    登録日 2024/01/02

    評点 73


    鑑賞方法 購入 

    字幕


    全編イタリアが舞台

    2024年1月2日に鑑賞。DVDにて。1時間22分50秒。スタンダード・黒白。フランス語発声、半分はイタリア語(舞台は全編イタリアのジェノバである)

    画面では、タイトルは「Le Mura di Malapage[マラペイジの壁](Au Dela des Grilles[鉄格子の彼方] )」と出る。

    密航するピエールは、貨物船の「錨室?」に隠れている。船員「2日分の食料だ」→イカリが海中へ。ピエールがいる部屋の中の鎖がガラガラと引っ張られる。

    イタリアのジェノバ。路面電車。街中に瓦礫がある。坂が多い。

    偽札男「ロードスで仕入れた靴用の皮を買わないか。両替は?公式レートで、1100フランが2000リラだ」、歯科医「抜歯は450リラ、麻酔を使うなら800リラだ」→ここでピエールが持っていた2枚のリラ札が偽札だと分かる。★ピエールは歯科医に代金を払ってないよ。「財布も盗まれた」→★ピエールを待っていた少女チェッキーナは、ヒモ(網状)の買い物袋(中にリンゴ?)の持ち手の「ヒモ」で「綾取り」をしている。→八角形の公衆トイレ?のような周囲を板で囲んだ建物が道の中央にある。

    警察署へ出前。マルタ「ハムとスパゲッティ」と言っている。警官「ナイフとワイン(ビン)は駄目だ」と、パンの中も調べる。

    食堂では紙のテーブルクロスを丸めて捨て、新しい紙をテーブルに広げる。

    ピエール「勘定を」マルタ「スパゲッティとワイン2.5ガロンで1250リラよ」「偽札を見せて」とマルタは店主の前で偽札を広げて確認に店主に渡し「本物だわ。お釣りを」店主はその時は確認しなかったが、店じまいの売り上げの計算時に偽札を2枚見つける。→ピエール「ウソはよせ。釣りはいらん」と、ちょうど店内に入って来た花売り婆から店の女性たちに花を買って贈る。

    高層階に住むマルタは「おカネを入れた籠」を地上に下ろして、隣人の少女ローラに屋台の野菜売りから買い物を頼む。→これはラオスやミャンマーでも見ました。

    警察がピエールを捕まえようと張り込みをしているのを知ったチェッキーナは、道の階段の側面や壁に白いチョークで「気をつけて、ピエール」と書いて回る。

    マルタ「初めて人を愛したから、愛し方を知らない。教えて。私と別れられないわよ。離さない。どこまでも追って行くわ。あなたの不安を忘れさせてあげたい」ピエール「覚悟はあるか?」

    画面では、監督:Rene Clement、脚色・台詞:Jean Aurenche、Pierre Bost、脚本:Cesare Zavattini、Suso Cecchi D'Amico、Alfredo Guarini、撮影:Louis Page、Montage:Mario Serandrei、Decors:Piero Filippone、Luigi Gervasi、音楽:Roman Vlad である。

    出演は、ジャン・ギャバン Jean Gabin(ピエール/Pierre Arrignon/フランスで年下の恋人22歳を殺しイタリアへ逃亡/ポケットに女性用の手袋が片方入っていた)、イザ・ミランダ Isa Miranda(マルタ・マンフレディーニ)、Vera Talchi(少女チェッキーナ/ニース生まれ)、Andrea Checchi(ジュゼッペ/マルタの夫/ニースで酒場経営)、Robert Dalban(船長)、Ave Ninchi この女優はよく顔を見ます(マリア/マルタの隣人/ローラの母)、Checco Rissone(偽札男)、Renato Malavasi(歯科医ベネッティ)、Carlo Tamberlani(警察署長)、Vittorio Duse(刑事)、Michele Riccardini(カルロ/マルタが働くレストラン店主)、Fulvia Fulvi(少女ローラ)、Claudio Ermelli(僧侶/レストランで客に寄進をお願いする「お恵みを」)ほか。

    ・「TRATTORIA(大衆食堂)」


  • 鑑賞日

    登録日 2022/03/18

    評点 60


    鑑賞方法 選択しない 


    恋人を母親に取られる少女ヴェラ・タルキが隠れた主役

     原題"Au-delà des grilles"で、格子を超えての意。
     ワケありのフランス男(ジャン・ギャバン)がジェノヴァに密航。港町に住むワケあり女(イザ・ミランダ)と恋に落ちるという、ジャン・ギャバン主演らしい映画。当然、ラストシーンは別れで終わるが、殺人犯だとわかってる男と恋に落ちるという不自然さは、男がジャン・ギャバンだからということで解消される。
     そんなスタイリッシュなラブ・ストーリーを2人の演技とルネ・クレマン演出の哀愁が支えていて、良き時代のフランス映画にしみじみ浸れる。
     この物語に彩りを添えるのが、終戦後という舞台設定で、女は食堂のウエイトレスをしながら娘(ヴェラ・タルキ)と廃墟の修道院で暮らしている。この修道院には焼け出された多くの人々が暮らしていて、ギャバンを引き込んだ女を噂しながらも、やってきた警察からは庇うという反権力精神を見せる。
     女はヤクザな亭主から逃れてきていて、娘を取り戻そうとする亭主とギャバン、警察の三つ巴となる。結果、警察はお尋ね者と女が暮らしていることを知り、ギャバンは御用となってしまう。
     一方、ギャバンと最初に出った女の娘はギャバンを好きになるが、恋人を母親に取られて反抗的になる。二人の仲を裂くためにギャバンを鉄格子の向こう、すなわち波止場に手引きし、密航船に戻すが、ギャバンは船の荷物を取りに来ただけで女との暮らしを選んでしまう。
     失意の娘だが、二人がデート中に警察の手が迫ったのを知って好きなギャバンに知らせようとする。この揺れ動く娘心をヴェラ・タルキが好演していて、隠れた主人公となっている。『禁じられた遊び』(1952)同様、ルネ・クレマンの子役の演出が上手い。


  • 鑑賞日 2021/12/30

    登録日 2021/12/30

    評点 70


    鑑賞方法 VOD/Amazonプライム・ビデオ 

    字幕



    イタリアの港町ジェノバを舞台にした、ルネ・クレマン監督のメロドラマ。
    愛人殺しの指名手配犯役がジャン・ギャバン。もう中年になった頃で顔のシワが渋い。そのお尋ね者を好きになるのが、地元の人妻とその娘という設定。
    せつない結末は予想通りとはいえ、名手クレマン監督の演出は完璧で最後まで見入ってしまう傑作だった。
    戦災のため、至る所ガレキだらけの町ジェノバで逞しく生きる庶民たちの姿も、この作品の主役である。


  • 鑑賞日 2019/02/11

    登録日 2019/02/12

    評点 60


    鑑賞方法 購入/DVD 

    字幕


    ヒネリはないが、妥当な収束。

    ルネ・クレマン監督による、殺人犯・偽札・歯医者・ラブストーリー。
    イタリアの港町へ逃亡してきた、殺人犯ピエール(ジャン・ギャバン)と
    彼を助けるマルタ(イザ・ミランダ)のラブストーリー。

    (鉄格子は、牢屋を連想していたが、この鉄格子は、港の入口にあり、これを越えれば、
    逃亡する船に乗れるというもの・・・。)


  • 鑑賞日 2018/08/28

    登録日 2018/08/29

    評点 70


    鑑賞方法 選択しない 

    吹替



    ギャバンが渋すぎる。身なりを整えた時の格好よさと言ったら!そして分かり易すぎるマルタ、さらには将来が楽しみなチェッキーナ。しかし49年の映画だとまだ背景は廃墟。このリアリティま見逃せない。


  • 鑑賞日 2016/05/02

    登録日 2016/05/02

    評点 80


    鑑賞方法 レンタル 

    字幕


    目に見える終わり

    チェッキーナは母が好き。だから別れた父から助けてくれたギャバンは好き。けど母を独り占めするギャバンは嫌い。この心情が素敵。終わりが目に見えていてそれでも惹かれ合うお尋ね者ギャバンとチェッキーナの母は互いに何を見ていたのか。それはチェッキーナが持ったのと同じ。相反してみえて、2つの感情をただ単純に持っているだけ。